配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2008年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2007年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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研究概要 |
学習評価がマクロレベルで学習者の動機づけに与える影響を見るために,中学校・高校を対象にした大規模調査を実施した。具体的には,昨年度と今年度に新たに開発した尺度を実施し,教室での評価構造が学習者の動機づけに直接・間接的にどのような影響を与えているのかをみると同時に,そうした評価構造がもつ交互作用項かも検討した。その結果,相対評価を多く用いているクラスでは,全体として学習者の内発的動機づけや自己概念が低いこと,またそうしたクラスにおいては,競争的な志向性をもった生徒たちが適応的に学習に関わっていることが明らかになった。また,別の実験研究では,学習者の潜在的な自己認知を測定するための新しい手法を開発し,その評価を行った。具体的には,Payne(2006)の開発した感情誤帰属手続き(affect misattribution procedure;AMP)をベースに,潜在的自己評価を数学モデルで分離するモデルを提案し,実際のデータに適用した。まだ開発途上ではあるが,評価研究に一定の示唆を与えるものと考えられる。最後に,昨年に引き続き,教師の学ぶ意欲の評価の信頼性・妥当性に関する研究を継続して実施した。昨年度の調査から,観察者の学ぶ意欲の評価は信頼性は高い(複数の評価者で評価は一貫している)が,妥当性は低い(実際の意欲を捉えられていない)ということが明らかになっていたが,その現象が,実際の教育現場に関わる教師でも見られることが明らかになった。
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