研究概要 |
本研究の目的は、アフリカのいわゆる「伝統医療」を手がかりとし、さまざまな民族が混住し、メディアの発達,人の移動も活発な現代のアフリカ地域社会において民俗知識がどのように翻訳され継承されているのか、またそれらは当該地域の社会的・文化的背景の中で翻訳者がどのように意図的、あるいは非意図的に変容され得るものか、その過程を記述・分析することにより、現代アフリカにおける「伝統医療」の実態を明らかにするとともに、民俗知識の変化、ひいては文化変化を動態的にとらえ得る理論モデルを構築することにある。 平成19年度前半は,カメルーン南部の治療儀礼についての報告および,この治療儀礼をめぐる言説の分析をおこない,日本アフリカ学会,日本文化人類学会の両者で発表をおこなった.平成19年度後半は,儀礼の歴史的位置付けを考察するために,フランス国立古文書館およびフランス国立図書館において,短期の資料収集および文献調査をおこなった.また,伝統医療がカメルーン共和国でどのような位置づけにあるのかを明らかにするため,伝統医療従事者たちの広告をもとに分析し,報告した.
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