研究課題/領域番号 |
06J08696
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
応用経済学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
爲近 英恵 大阪大学, 大学院・経済学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 応用一般均衡モデル / 京都議定書 / 排出権取引 / クリーン開発メカニズム |
研究概要 |
京都議定書では、削減方法として削減義務国間排出権取引が導入されている。本研究は、削減義務国の削減費用を試算するために、応用一般均衡モデルを構築し定量分析を行った。旧ソ連は、現状の二酸化炭素排出量が京都議定書で定められた排出枠を下回っており「ホットエア」とよばれる達成余剰分を所有している。そこで、本研究は、旧ソ連が排出権市場において価格支配力を行使し、排出権収入を最大にするように独占的に排出権を供給すると仮定し、それが排出権供給量と各国の削減費用に及ぼす影響を分析した。さらに、京都議定書は、クリーン開発メカニズム(CDM)とよばれる、削減義務国が非削減義務国において技術移転により削減した排出量を削減義務国の新たな排出枠として計上する削減方法も導入している。そこで、このCDMを日本が中国と実施することで、旧ソ連が吊り上げた削減費用をどの程度低減させうるかについても分析を行った。CDM実施量については、中国のエネルギー技術進歩率を改善させることで、中国における二酸化炭素排出量を3千万二酸化炭素トン削減させる場合と6千万二酸化炭素トン削減させる場合を考慮した。さらに、日中間のCDMは日中間の排出権取引として記述し、日本はCDMで得られた排出権を排出権市場で決定される価格で支払うものとした。主要な結果は以下のとおり。(1)旧ソ連が排出権を独占的に供給する際、その量はホットエアの41%程度で、排出権価格はll.93ドル/二酸化炭素トン。(2)これに対し、日本は中国とのCDMにより排出権価格を低下させ得るが、その大きさは、0.35〜0.98ドル/二酸化炭素トン程度。(3)EUは新規加盟国を統合し拡大することにより限界削減費用を低下させうる。(4)旧ソ連が排出権供給量を決定する際の目的変数を排出権収入から、社会厚生、GNI、GDPへそれぞれ変更した場合も結果は同程度である。
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