研究課題/領域番号 |
06J52242
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
環境動態解析
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
桑田 幹哲 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 雲凝結核 / 煤粒子 / 地球温暖化 / エアロゾル / エアロゾル質量分級器 / 大気化学 |
研究概要 |
本年度の研究では、実大気中に存在する煤粒子が持つ雲凝結核能の被覆量依存性について定量的に調べるため、揮発分離型タンデムエアロゾル質量分級器の開発・及びそれを用いた実大気粒子の観測を行った。観測の結果、煤粒子が雲凝結核として機能するためには0.1fg程度の被覆量が必要になることが明らかになった。また、被覆量・雲凝結核能より被覆量成分の見積りを行ったところ、非水溶性有機物が主成分であることが明らかになった。 これまでに行われた先行研究では、粒子の分級手法として移動度分級器が用いられてきた。しかしながら、電子顕微鏡により煤粒子の観察によると煤粒子は非球形の複雑な構造を持っていることが明らかになっているため、流体抵抗に基づく移動度分級器を用いた手法では被覆量を定量的に評価することが不可能であった。そのため本研究では新たに遠心力に基づく質量分級器を使用することにより、定量的に被覆量を測定する手法を開発した。 煤粒子は光を吸収するため、二酸化炭素と同様に正の放射強制力を持つ。従って、煤粒子の地球上における分布・収支を定量的に把握することは地球温暖化の正確な予測に不可欠である。煤粒子の除去過程は主に降水により湿性沈着であるが、これまでは煤粒子が雲凝結核能を得るのに必要な被覆量が定量的に把握されていなかったため、全球モデル内では厳密な根拠が無い曖昧な数字が用いられてきた。そこで本研究の成果を利用することにより、より定量的な温暖化予測が可能になることが期待される。
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