研究課題/領域番号 |
07041012
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究分野 |
文化人類学(含民族学・民俗学)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田中 二郎 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (30027495)
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研究分担者 |
ビーゼリー メガン ニヤエ, ニヤエ・開発基金, 所長
大野 仁美 麗澤大学, 外国語学部, 講師 (70245273)
中川 裕 東京外国語大学, 外国語学部, 講師 (70227750)
大崎 雅一 姫路工業大学, 自然環境科学研究所, 講師 (40254453)
菅原 和孝 京都大学, 総合人間学部, 教授 (80133685)
BIESELE Megan Nyae Nyae Development Foundation, Director
野中 健一 三重大学, 人文学部, 助教授 (20241284)
太田 至 京都大学, 大学院人間・環境学研究科, 助教授 (60191938)
早木 薫 日本学術振興会, 特別研究員
池谷 和信 国立民族学博物館, 第一研究部, 助手 (10211723)
早木 仁成 神戸学院大学, 人文学部, 助教授 (60228559)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
38,000千円 (直接経費: 38,000千円)
1997年度: 12,700千円 (直接経費: 12,700千円)
1996年度: 12,600千円 (直接経費: 12,600千円)
1995年度: 12,700千円 (直接経費: 12,700千円)
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キーワード | カラハリ砂漠 / 植生移行帯 / 民族多様生 / サン / ボツワナ / ナミビア / 人類学 / 環境利用 / 民族多様性 |
研究概要 |
1.生活史に刻印された変容の歴史、定住化に伴う産業の変遷、畑の請負い耕作やヤギの委託の変化、および、グイ語、ガナ語と隣接諸言語との接触史に関する資料の収集などにより、狩猟採集民サンとカラハリ族をはじめとする近隣農牧民の交渉史、共生関係の動態が明らかにされた。 2.サンの年長男性の生活史を収集・分析し、過去の狩猟活動、婚外性関係、成人式、農牧民より取り入れた呪術的観念等の詳細が明らかにされた。 3.サンの食用および物質分化としての昆虫利用を調査し、とくに昆虫食が食生活に占める質的重要性を明らかにした。さらに、哺乳類、取類、爬虫類を含む動物の形状や行動に関する精密な認知が予見、凶兆、習性や形態の起源神話といった象徴的解釈と密接に相関していることを明らかにした。 4.グイ語とガナ語の言語構造と語彙に関する記述を精密化し、正書法を提案した。 5.過去30年間に及ぶ人口調査のデータを用いて、サンの人口動態を解明した。 6.サンとカラハリの儀礼の比較分析から、サンはいくつかの要素をカラハリからとりいれてきたにもかかわらず、呪術的要素は伴わなかったことを明らかにした。 7.子供の言語・身体発達と社会化の過程を、狩猟採集の衰退、平等主義の変容、学校教育の導入など「近代化」の諸問題との関連において明らかにした。 8.カラハリ砂漠の辺縁部植生移行帯では、ジャケツイバラ科落葉喬木モパネは家畜の飼料、物質文化として重要なばかりでなく、宗教儀礼などにおいても重要な象徴的役割をもつことが明らかにされ、さらに、この土地の利用権をめぐる民族間の争いがアイデンティティーの問題との関連で生起し、総選挙など国家レベルでの問題にも深く関わっていることが明らかになった。 9.平成9年度には、ボツワナ政府主導のサンの移住という歴史的な事件が発生し、これに伴う諸問題の解明が急がれたが、多くは将来の課題となった。
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