配分額 *注記 |
19,400千円 (直接経費: 19,400千円)
1997年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1996年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1995年度: 13,400千円 (直接経費: 13,400千円)
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研究概要 |
9年度は主に、以下の3点についての知見を得た。 (1)多官能性オリゴシランの位置選択的合成 オリゴシランのケイ素上へ位置選択的に官能基を導入することは,これまで非常に困難であった。われわれは,アミノおよびアルコキシ置換オリゴシランの効率的かつ位置選択的な合成法を開発した。金属リチウムを用いて(アミノ)ジクロロシランとモノクロロシラン,または(アミノ)クロロジシランとモノクロロシランとを縮合させたところ,効率よくクロスカップリング反応が進行し,非対称アミノ置換トリシランが得られた。ケイ素上のアミノ基はアルコキシ基へと変換できた。 (2)官能性シロールおよびシロールオリゴマーの合成と構造 ジアミノビス(フェニルエチニル)シランの還元的環化反応により,1,1-ジアミノシロールを合成することに成功した。ケイ素上のアミノ基をアルコキシ基,塩素,フッ素,またはヒドロキシ基等へ変換することにより,さまざまな1,1-二官能性シロールを得ることができた。また1,1-ジクロロシロールを金属リチウムと反応させることでケイ素同士が結合したオリゴシロールを合成した。さらにX線結晶構造解析および紫外-可視吸収スペクトル測定により,その特異な電子構造について検討した。 (3)14族元素を中核とする三脚型配位子の合成、反応および構造 三つの2-(ジメチルアミノ)フェニル基が14族元素に結合した化合物の合成,構造および反応について検討し,トリス[2-(ジメチルアミノ)フェニル]ヒドロシランおよびヒドロゲルマンの合成に成功した。このヒドロゲルマンにブチルリチウムを作用させると,対応するゲルミルリチウムが生成した。これはクロロシラン,フルオロシラン,クロロスタンナン等と反応し,シリルゲルマン,スタンニルゲルマンを与えた。これらの結晶構造解析をおこない,(ジメチルアミノ)フェニル基の立体的および電子的効果について明らかにした。
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