配分額 *注記 |
36,800千円 (直接経費: 36,800千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1997年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
1996年度: 11,100千円 (直接経費: 11,100千円)
1995年度: 19,800千円 (直接経費: 19,800千円)
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研究概要 |
1. 脂質膜間タンパク質移行による他細胞膜への膜タンパク質組み込み.マウステラトカルシノーマF9細胞膜上に存在する細胞間接着機能をつかさどる分子であるE-カドヘリンをリポソーム膜上に移行させるのにより適した条件を求めるため,リポソームを構成する脂質種および細胞との相互作用条件を変化させて検討をおこない,現時点において最適と考えられる移行条件を見い出した.またリポソーム膜上から異種細胞へのカドヘリンの再移行の試みとして,カドヘリンを含む細胞膜タンパク質を移行現象を利用して再構成したリポソームとJurkatあるいはB16メラノーマ細胞などマウステラトカルシノーマF9細胞以外の細胞とを相互作用したところ,本来マウステラトカルシノーマF9細胞に対する接着能を持たないこれらの異種細胞とF9細胞との接着がみられた.これはカドヘリンがその接着機能を保持したまま異種細胞膜上に移行したことを示すものであり,これら異種細胞の機能をカドヘリンにより制御することに成功したと考えられる. 2. 糖鎖の関与する情報伝達機構をとおしての細胞機能制御.従来容易でなかった細胞の酸素消費量の測定をリアルタイムかつ定量的におこなうことができる高感度酸素電極を用いることにより,種々のガングリオシド,シアリルコレステロールなどのガングリオシド類似化合物,およびこれらの物質を組み込んだリポソームなどによる細胞刺激時の細胞応答と細胞酸素消費量との関係を初めて明らかにし,細胞刺激の機構の詳細を考えるにあたり重要となる知見を得た.
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