研究課題/領域番号 |
07407016
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 順天堂大学 (1996-1997) 東京大学 (1995) |
研究代表者 |
福地 義之助 順天堂大学, 医学部, 教授 (80010156)
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研究分担者 |
松瀬 健 東京大学, 医学部, 講師 (90199795)
植木 純 順天堂大学, 医学部, 助手 (50203427)
蓮沼 紀一 順天堂大学, 医学部, 講師 (10208473)
高橋 英気 順天堂大学, 医学部, 講師 (90216747)
木田 厚瑞 東京都老人医療センター, 部長 (90142645)
滝沢 始 東京大学, 医学部(病), 助手 (80171578)
田山 二朗 東京大学, 医学部(病), 講師 (50221403)
西川 潤一 東京大学, 医学部(病), 助教授 (00010322)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
25,200千円 (直接経費: 25,200千円)
1997年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1996年度: 13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
1995年度: 10,500千円 (直接経費: 10,500千円)
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キーワード | 嚥下性肺炎疾患(APD) / 嚥下誘発テスト(SPT) / マノフルオログラフィ / 嚥下中枢 / びまん性嚥下性細気管支炎 / 全身性硬化症 / 経皮的内視鏡下胃瘻造設術 / 臓器相関 / 燕下機能 / PETスキャン / 燕下中枢 / ビデオフルオログラフィ / 燕下誘発テスト / 燕下性肺炎 / 嚥下誘発テスト / 嚥下リハビリテーション / 嚥下性肺炎 / 嚥下性肺疾患 / 嚥下機能 / 呼吸調節 |
研究概要 |
臓器相関からみた嚥下機能と呼吸調節に関する集学的研究の3年間の成果を総括すると次のようになる。1)嚥下機能障害に続発する嚥下性肺疾患(APD)は高齢者入院者の2%以上に発症する。2)APDの基礎病態は脳血管障害、痴呆、悪性腫瘍が大多数を占め、日常生活(ADL)の低下が最大のリスク因子である。3)嚥下誘発テスト(SPT)、マノフルオログラフィ(MF)などの新たな嚥下機能評価法は定量性、再現性に富み、APDの高リスク患者や早期発見の有力な手段となる。また治療効果の判定にも有用である。4)嚥下運動を制御する高次中枢は弁蓋部、蒼球など複数の領域にわたり、延髄の嚥下運動統合部と密接に連結している。5)SPTは嚥下運動の第二相の機能を反映し、MF上のボーラス通過時間と相関する。6)健常老年者でもSPT,MFで評価すると加齢変化がみられ、誤嚥リスクの増大傾向を示す。7)MFにより嚥下障害例の食事内容と頻度の至適調節の有用性が確認された。8)SPTの異常例は肺炎による死亡リスクが有意に高くなることが前向き研究で明らかにされた。9)APDの臨床分類が完成し、びまん性嚥下性細気管支炎(DAB)の全国調査が施行された。その結果、全国的な分布と若年例にも観察されることが判明した。10)全身性硬化症(SSc)においてAPDが予後を決める重要な因子となることが確かめられた。11)新たに考案された食道スコアによりAPDの早期発見、予防的治療対策の可能性が生まれた。12)重症APDを反映する症例での経皮的内視鏡下胃瘻造設術(PEG)の有用性が栄養保持と肺炎リスク減少の2点で確認された。 これらの諸処の知見を総合して、嚥下機能と呼吸器の臓器相関の緊密さとその意義が確認され、それが老年者の健康とQOLの向上に有用であることが明らかになった。
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