研究課題/領域番号 |
07454170
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
山下 敬郎 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (90116872)
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研究分担者 |
田中 彰治 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (20192635)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1996年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1995年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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キーワード | 有機導電体 / 有機半導体 / 単一成分導体 / 導電性ポリマー / チオフェンオリゴマー / 電子供与体 / 単一成物導体 / バンドギャップ / HOMO-LUMOギャップ / ポリチオフェン |
研究概要 |
通常の有機分子では電導に関与できるキャリヤ-が存在せず絶縁体となることから、単一成分有機導体の設計にはHOMO-LUMOギャップの小さい分子をつくることが極めて重要である。本研究では電子供与性の複素環と電子受容性の複素環を連結させたドナー-アクセプター系分子で小さなHOMO-LUMOギャップを実現した。例えば、非古典的構造のビスチアジアゾロベンゼン誘導体はp-ベンゾキノンに匹敵する高い電子親和性を持ち、電子供与性の置換基を導入することで新規なドナー-アクセプター系を構築した。ドナー性とアクセプター性を調節することでHOMO-LUMOギャップを制御できることを示した。合成した分子の中には最長吸収波長が1345nmを示すものがあった。また、チアジアゾール環のS…N相互作用によってテープ状のネットワークが形成されることを見つけた。これらの分子で単一成分導体は実現できなかったが、イオンラジカル塩とすることで特異な電導体に導くことができた。例えば、非平面型のビス(1、3-ジチオール)ドナーから金属的性質を示すカチオンラジカル塩が得られ、物性が包接される溶媒分子により大きく依存することを見つけた。小さな有機分子ではこれ以上HOMO-LUMOギャップを小さくすることは困難であったので、共役を伸ばしたポリマーでギャップの縮小を測った。ポリマー化はチオフェンおよびピロール置換体の電解酸化により行った。これらのポリマーはp-ド-ピングもn-ド-ピングも受ける両性のポリマーでバンドギャップは従来合成されたものに比べて著しく小さく、電気化学的バンドギャップがほとんど0のものも得られた。ポリマーは溶解性がなく取り扱いが困難で、構造の均一性にも欠けることから、構造が明確で溶解性に優れたオリゴマーの合成に研究を展開した。
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