研究概要 |
本研究は超高速電気光学偏向器とその応用を開発研究することを目的としている.このため,研究者らは高周波数で大振幅動作、高変調指数が可能な高効率変調器、偏向器の開発に主眼をおいて研究を進めてきた.本研究では,まず以前より進めていた電気光学結晶の周期分極反転を用いた疑似速度整合形電気光学変調器の改良,開発を進め,THz以上の広帯域変調サイドバンドが常に得られる技術を確立した.次に,電気光学結晶の周期分極反転方向を光液の進行方向より傾けた構成の従来にはない全く新しいタイプの疑似速度整合のとれた進行波位相格子変調器「斜周期分極反転を利用した超高速電気光学偏向器」を考案した.これにより従来の音響光学偏向器と同様の光偏向,および周波数シフトが音響光学偏向器では不可能なGHz〜10数GHzの高周波域で可能となる.この新しい偏向器,周波数シフタについて,理論的にその動作解析を行い,それに基づきLiTaO3を電気光学結晶として用いて素子を試作,予備的実験ではあるが16.25GHzの動作周波数で動作確認を行い,成功している.なお,この偏向器については,学術振興会を通し,国有特許として出願を行っている.
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