研究課題/領域番号 |
07671543
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
久保田 勝 帝京大学, 医学部, 講師 (30246061)
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研究分担者 |
成田 考而 帝京大学, 医学部, 助手 (90237602)
金光 秀晃 帝京大学, 医学部, 講師 (10129992)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1997年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1996年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1995年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | Penumbra / スフインゴミエリンサイクル / アポートーシス / 遅発性神経細胞死 / 中大脳動脈閉塞 / 砂ネズミ / 一過性前脳虚血 / 神経細胞死 / 薄層クロマトグラフィー / 局所脳虚血 / セレブロシド / セラミド / ガングリオシド / スフィンゴミエリン / 脂肪酸 |
研究概要 |
虚血性細胞死について以前はネクローシスと考えられていたが最近アポトーシスを証明する報告が見られる。さらにアポトーシスなどの情報伝達にスフインゴ脂質の基本骨格であるセラミドが関与していることが注目されている。そこで中大脳動脈閉塞(MCA)モデルを用いてPenumbraの大脳皮質のスフインゴ脂質を分析し、セラミドの増加やスフィンゴミエリンサイクルについて検討した。閉塞6時間よりセラミドが増加し始めた。そして増加したセラミドはGC-MSで確認したが、オキシ脂肪酸をもったセラミドはMCA群にも存在しなかった。増加するセラミドには2つの過程が考えられる。先ずバルミトイルCoAとセリンからスフインゴシンさらに脂肪酸が結合して生合成される経路とスフインゴミエリンや糖脂質(ガラクトシルセラミド.ガングリオシド)から水解される経路がある。われわれが行ったグリセロリン脂質の実験では6時間以降でリン脂質の再合成は認めず、前者の生合成が亢進していることは考え難い。一方、スフインゴミエリンは閉塞2時間より減少した。増加したセラミドと構成脂肪酸が類似しスフインゴミエリンサイクルが働いていることが示唆され糖脂質のガラクトシルセラミドはオキシ脂肪酸を含有しており増加したセラミドは直鎖脂肪酸で構成されておりガラクトシルセラミドの水解は考え難い。ガングリオシドの糖鎖とセラミド結合を直接水解する酵素は哺乳類では発見されていないことから、増加したサラミドはスフインゴミエリン由来と考えられる。次にprogrammed cell deathのひとつとして知られている砂ネズミ一過性前脳虚血後の海馬における遅発性神経細胞死に注目し、そのスフインゴミエリン量を測定した。遅発性神経細胞死を起こさない2分間虚血、及び耐性獲得後の5分間虚血ではスフインゴミエリンの変動は認めず、遅発性神経細胞死を誘導する5分虚血のみスフインゴミエリンが減少した。スフインゴミエリンサイクル虚血刺激による細胞の生死を細胞内に伝達する役割をしている可能性を示唆した。
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