研究課題/領域番号 |
07671760
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | (財)冲中記念成人病研究所 |
研究代表者 |
横山 正夫 財団法人冲中記念成人病研究所, 主任研究員 (80010304)
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研究分担者 |
小田 裕之 財団法人冲中記念成人病研究所, 研究員
北原 研 財団法人冲中記念成人病研究所, 研究員
金村 三樹郎 (金村 三樹朗) 財団法人冲中記念成人病研究所, 研究員 (00201434)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1995年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 表在性膀胱癌 / BCG膀胱内注入療法 / 電顕的細胞化学 / 非対称性単位膜 / Con A結合部位 / 臨床適応拡大 / BCG膀注療法 / ConA結合部位 / 長期変化 / BCG膀胱注入療法 / 形態変化 |
研究概要 |
表在性膀胱癌に対するBCG膀胱内注入療法の抗腫瘍効果および再発防止効果は臨床的に立証されているが、その作用機序はなお明らかでない。BCG膀注(Tokyo 172株、80mg/40ml生食、週1回8週)前後に、非腫瘍部粘膜多部位生検(multiple mucosal biopsy:MMB)をあらかじめ規定した7-9領域につき行ない、電顕的細胞化学的変化を調べた。対象は頻回再発あるいはMMBで随伴病変をもつ表在性膀胱癌患者とし、電顕的には標本をグルタールアルデヒドで前固定し、フエリチン標識Con Aと反応させたのちオスミウム固定、エポン包埋し、透過型電顕で観察した。 45症例、49膀注療法前後に行なった87回のMMB標本502個を観察した。BCG膀注前には60%の症例において正常な移行上皮が観察され、表層細胞の腔面は斑と稜からなり、斑は非対称性単位膜(asymmetric unit membrane:AUM)で表面にCon A結合部位を欠く。残る40%の症例では微絨毛を認め、随伴病変と考えられた。上皮内、上皮下の細胞浸潤は少ない。BCG膀注終了約4週後には、粘膜に著しい浮腫と、上皮内、上皮下の細胞浸潤を認めた。浮腫は2-3カ月で消失するが、細胞浸潤は数カ月持続し、間質の類上皮肉芽腫は数年を経た症例についても認められた。表層細胞の腔面は、膀注直後には斑構造を失いAUMは認められず、微絨毛に覆われており、膜は対称性単位膜で表面にCon A結合部位が増加していた。表層細胞の変化を生検日までの間隔をかえ、また膀注後複数回生検例で調べた。AUMは膀注終了45日まででは出現率27%と下降し、46-90日34%、91-180日53%、181日以降85%と、6カ月以上かかって回復した。 BCG膀注後の粘膜変化は抗癌剤膀注の際の細胞の崩壊脱落とは異なること、形態変化が長期におよぶことが明らかとなった。 また臨床的検討により、BCG膀注後の再発癌に本療法第2コースが有効なこと、上部尿路癌にも適用できることを明らかにした。
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