研究課題/領域番号 |
07831005
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 時限 |
研究分野 |
文化財科学
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
古川 路明 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (10011537)
|
研究分担者 |
森 忍 名古屋大学, 年代測定資料研究センター, 助教授 (00089856)
平沢 政広 東北大学, 素材工学研究所, 教授 (90126897)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1995年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | 加速器質量分析 / 炭素14年代決定法 / 古代鉄 |
研究概要 |
加速器質量分析法の発明は放射性炭素年代決定法に革命的な影響をもたらした。研究代表者らは、名古屋大学に設置されたタンデトロン加速器質量分析計を用いて1ミリグラム程度の微量の炭素試料に加速器質量分析法を適用し、考古学・地理学・土壌学・地球化学などの多くの分野との学際的研究に従事し、業績を挙げてきた。本研究では、そのような研究活動の一環として、多種類にわたる古文化財試料の中から、特に古代に鋳造された鉄を取り上げた。人類文明の発展の過程で鉄器使用の占める位置はきわめて大きいが、その詳細についは未だに明らかにされていない。古代鉄器の製造年代の正確な情報が得られれば、古文化財研究に大きな影響を与えるものと期待されている。研究目的の達成には、1グラム程度の鉄試料中に含まれる微量の炭素を能率よく回収することがもっとも重要な課題であった。その際に、放射能の強い「新しい炭素」の汚染を0.1パーセント以下に抑えねばならない。その難題の克服には、鉄試料を燃焼した際に生成する二酸化炭素を回収し、測定試料とする方法(乾式法)が適当であるとするのが常識的であり、その方向で地道な検討を重ねた。しかし、試料によっては、乾式識法が適用しにくい場合もあり、その際には化学試薬を用いる処理法(湿式法)が好都合であり、その方法についても比較検討を続けた。現在までに、二つの方法に関する基礎的な検討をほぼ完了し、より新しい試料についてはよい測定結果が得られている。現在は、炭素含有量の少ない、貴重な古い試料に適用しても信頼できる結果が得られるように技術を開発中である。
|