研究課題/領域番号 |
07J02166
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
大域解析学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大野 博道 九州大学, 大学院・数理学研究院, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2008年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2007年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 量子格子系 / 量子マルコフ連鎖 |
研究概要 |
平成20度は、1次元格子系上の状態の研究、量子系に関する研究、およびに作用素環の直行する部分環について行ってきた。 量子物理に関する研究では、注目系と呼ばれる、情報を得ることのできる系だけの情報から、注目系がどのくらいの影響を他の系(環境系)から受けているかを調べる研究を行った。これまでの研究では、注目系から得られる純粋値という関数を定め、この微分可能性とその値から、注目系が環境系から受けている影響をある程度調べることができることを示した。本年度の研究では、分散が有限であるという条件のもとでは、フォンノイマン・シュレディンガー方程式が成り立ち、微分可能性が担保されるため、有限次元の場合と同様の考察が可能であることを示した。具体的には、注目系が環境系から影響を受けていない場合には、純粋値は微分可能であり、かつその値がOであるということを導き出し、また、影響を受けている場合も、その期待値と分散の値から、影響の大きさの上限を求められることを導きだした。 さらに、作用素環論と関連して、行列環の中に内積の意味で直行する部分行列環がいくつあるかという研究も行った。この研究では、4×4行列環の中に、2×2部分行列環が上記のような条件を満たすように4つ存在し5つめは存在しないというすでに知られている結果を、3以上の素数のべき乗行列環の中の部分環の場合に拡張した結果を得た。すなわち、3以上の素数のべき乗の正方行列環の中に、その直行する部分環がもとの行列環を分割するようにとれるということを示した。
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