研究課題/領域番号 |
07J02593
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
木下 俊一郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2008年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 高次元宇宙モデル / フラックスコンパクト化 / ドジッター時空 / 時空のエントロピー / ブラックホール熱力学 / AdS / CFT対応 |
研究概要 |
統一理論の有力な候補である超弦理論は、10ないし11次元の高次元時空を要請する。このような高次元時空を前提とした理論から、いかにわれわれの4次元宇宙を実現しうるかを探ることは、現代物理学の重要な課題である。この実現のためには、極初期あるいは現在の加速膨張する宇宙をよくあらわしている4次元ドジッター時空を、残りの余剰次元を安定化させた上で高次元時空の中で構成することが必須となる。 本年度は、フラックスによる余剰次元の安定化とドジッター時空を両立しうる高次元モデルの一つである、Freund-Rubinコンパクト化の性質を探った。このモデルでは、宇宙の膨張率や余剰次元のフラックスの量に応じて、余剰次元の内部空間の形が球形である自明な解以外にも、変形し歪んだ解か存在する。このような解がわれわれの宇宙を表しうるかにとって重要な指標はその安定性である。そこでまず自明な解と変形した解の線形摂動に対する動的安定性を解析し、ちょうど二つの解の系列が一致する臨界点で安定性が切り替わることを見出した。これにより、宇宙の膨張率が低い場合、対称性が高い球形の内部空間ではなく対称性が破れている変形した内部空間の方が安定な状態であることを示した。さらに、安定な解の方がドジッター時空に付随するエントロピーも高い状態にあり、動的安定性と熱力学的安定性に相関があることを示した。これは高次元ブラックホール時空と同様の性質が高次元でのドジッター時空にも存在していることを示す新たな具体例である。 またAdS/CFT対応の観点から、動的な高次元ブラックホールと4次元の膨張流体の性質を解析した。
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