研究課題/領域番号 |
07J08270
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
形態・構造
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
ベントゥラ A (2007, 2009) 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
VENTURA Albert (2008) 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究科(DC1)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2009年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2008年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 魚類 / コルチゾル / 浸透圧 / アンギオテンシン / ナトリウムペプチド / アドレノメデュリン / ACTH / 間腎腺 / eel / Cortisol / Omsoregulation / Natriuretic peptide / 浸透圧調節 |
研究概要 |
ウナギは淡水から海水まで幅広い塩分環境に適応する広塩性魚であり、浸透圧調節の研究において優れたモデルである。広塩性魚における浸透圧調節は複雑なメカニズムで、様々なホルモンにより制御されている。これらのホルモンは速効性と遅効性ホルモンに分けられている。遅効性ホルモンであるコルチゾルは様々な役割を果たしており、真骨魚類における浸透圧調節において最も重要なホルモンの一つであると考えられている。そこで、本研究で即効性ルモンであるナトリウム利尿ペプチドファミリー(NP)によるコルチゾルの分泌調節を調べた。近年、NPファミリーは7種類に多様化したと明らかになり、ウナギで6種類が同定されている。 海水と淡水ウナギの間腎腺の組織培養液中に6つのNPをそれぞれ添加した結果、陽性対照として使用したACTHでは明らかなコルチゾル産生が認められたが、NPではコルチゾルの産生が促進されなかった。in vivoではANPとCNP1はそれぞれ海水ウナギと淡水ウナギでコルチゾルの分泌を促進するため、NPが他のホルモンを介して、間接的にコルチゾルの分泌を促進していると考えた。そこでNPとACTHを同時に添加したところ、海水の間腎腺において、ANPとVNPはACTHのコルチゾル産生能を増強して、淡水ウナギの間腎腺ではCNP-1とCNP-4がACTHの効果を増強することが明らかになった。更にANGとAMについても検討を行った。ANGは4種類(ANGI、ANGII、ANGIIIとANGIV)が血中に存在し、さらにウナギとシロサケは、N末端がアスパラギンのN-ANGIIだけではなく、血中でアミノ基転移酸素によリアスパラギン酸に変換したD-ANGも持っている。それぞれANGを添加した結果、淡水と海水でD-ANGIIのコルチゾル分泌促進はN-ANGIIと比較して3倍高かった。ANG-IIIはN-ANGIIと同程度の効果であった。AM1、AM2、AM5はコルチゾル分泌を促進しなかった。本研究の結果から、ウナギのNPによるコルチゾル分泌調節には、ACTH存在することが不可欠だと明らかになった。そのため、現在ACTH測定ELISA法を確立し、下垂体におけるNPファミリーによるACTHの分泌調節を調べている。
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