配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2009年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2008年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2007年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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研究概要 |
申請者らによるこれまでの研究から、シロイヌナズナの抗酸化物質代謝の制御にはジャスモン酸の情報伝達が関わっていることが示唆されていた。近年、ジャスモン酸情報伝達機構の上流に関する研究が進展し、ジャスモン酸情報伝達の最上流に位置する転写因子であるMYC2の破壊株では、ジャスモン酸による抗酸化物質代謝に関連した遺伝子群の発現誘導が低下し、酸化ストレスに対する感受性が高まっていることが報告された。 シロイヌナズナのMYC2には、相同性の高いbHLH型転写因子が複数存在するため、MYC2破壊株に加えてMYC2と相同性の高いbHLH型転写因子(INU1,3,4)の破壊株を取得した。これらの変異体を用いてジャスモン酸応答遺伝子群の発現解析や、ジャスモン酸感受性の解析を行った結果、MYC2以外の単独遺伝子の破壊株(INU1および3)では顕著な表現型が見られなかった。一般的にbHLHドメインは2量体形成に用いられることから、MYC2とINU1,3および4の相互作用をイーストツーハイブリッド法により調べた。その結果、MYC2はホモダイマーもしくはINU1,3,および4とのヘテロダイマーを形成することが明らかになった。またINU1と4はMYC2と同様にジャスモン酸情報伝達経路による転写活性化の負の制御因子であるJAZタンパク質と結合することから、MYC2とINU遺伝子群の転写因子複合体が抗酸化物質代謝遺伝子群を始めとするジャスモン酸応答遺伝子群の発現制御因子であると考えられた。
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