配分額 *注記 |
23,000千円 (直接経費: 23,000千円)
1998年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1997年度: 8,400千円 (直接経費: 8,400千円)
1996年度: 8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
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研究概要 |
定例の研究会活動等を通じた「総括研究」では,伝統的な都市・農村の二元的社会構造の「変容」を検討し,それは「都市世界-中間世界("超級村庄")-農村社会」という三元構造への変化と捉えられるべきではなく,単に"準二元"的情況として観察,記述されるに過ぎず,あくまで中間的,過渡的存在にとどまっているとの結論を得た。[地域における政治・行政および経済の担い手の活動を支える価値意識とその変化]に関する研究では,勢力配置の多様化が観察され,それが村民意志を反映した選挙実施へと結びついており,経済的な発展がそれに結びついているとは言い難い点が見出された。また,[地域間人口移動のメカニズム]に関する研究では,上海市における出稼ぎ労働者の就業状態と賃金の決定メカニズムなどを実証的に分析し,労働市場の形成状況ならびに現存する労働市場の構造的特徴を解明したが,特に,戸籍や出身地の相違により参入できる業種や職種,居住する区域などが異なるなど,出稼ぎ労働者に関する労働市場の階層化傾向が明らかとなった。中でも,農村労働力の地域間移動の研究を中心に,、その移動要因、出身農村に与える影響などを分析した[出稼ぎ現象]に関する研究では,農村労働力の地域間移動は所与の条件に対応して極めて合理的な農家行動によって発生しており,「発展途上地域における貧困層の没落→土地なし層の形成→出稼ぎの流出・都市への流動」というパターンには属さないことが明らかとなった。そして,現代中国における「国家・社会関係」を中間層の台頭から把握することを課題とした[階層移動]研究を通じて,中間層を政治的な実態として捉えることの困難性が浮かび上がり,新中間層の台頭は、「国家に対抗する」社会というより,「国家と共生する」社会を生み出しつつあるものと結論される。
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