配分額 *注記 |
18,600千円 (直接経費: 18,600千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1997年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1996年度: 15,700千円 (直接経費: 15,700千円)
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研究概要 |
(1)防災意識と災害の記憶に関する調査.今年度も、阪神淡路大震災後の防災意識の変化を調べることを目的として,大阪市立大学生を対象に震災半年後より毎年行なっている調査の第4回目を実施した.調査が長年継続されていること,震災前(平成5年)にも同様の調査がなされており防災意識の変化が震災を挟んで検討できることが特徴である.平成8年までの調査結果については中間報告として本学紀要に発表した.(2)視環境変容下での知覚ー運動的達成に関する実験.災害発生による視環境の変容(視空間枠組みの歪み,視界不良など)に対する視覚ー運動適応を視野変換眼鏡着用における運動的適応としてシミュレートした実験を行なった.今年度は,側方置換プリズム眼鏡での実験(前年度)を視野制限枠と左右反転眼鏡とによる2方法によるシミュレートへと拡張した.重心計と移動位置検出装置を用いて,姿勢維持,歩行制御などにおける視環境への順応が調べられた.結果を日本心理学会年次大会,ARVO年次大会で発表予定である.(3)脳波学的睡眠深度と警報音認知に関する実験.かかる震災が就寝中に発生したことから,被験者の脳波を終夜モニターしながら脳波学的な各睡眠深度においてオドボール課題を実施し,眠りの深さによる警報音認知の違いを事象関連電位から検討した.(4)避難経路図に関する実験.今年度は,避難経路図の表記法(避難誘導線の有無)及び呈示法(向き)が避難経路判断の早さと正確さにどのように影響するかを調べた.(5)左右反転眼鏡長期着用による認知地図の変容に関する実験.大規模災害によって一挙に生じる景観の変容がその後の環境への適応にどのように影響するかを,左右反転眼鏡着用による視野変換でシミュレートした実験によって調べた.40日間長期連続着用において,着用前から慣れ親しんでいる地域の認知地図がどのように変容あるいは再獲得されるかを明らかにした.
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