配分額 *注記 |
36,400千円 (直接経費: 36,400千円)
1999年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1997年度: 11,800千円 (直接経費: 11,800千円)
1996年度: 19,200千円 (直接経費: 19,200千円)
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研究概要 |
1.トリクロロシランを加水分解してシルセスキオキサン,H_n(SiO_<1.5>)_n混合物を合成した.HPLCによって,混合物からかご構造を持つ8量体,10量体,12量を単離する方法を確立した.得られたかご分子の末端置換基である水素をサイズの異なる脂溶性あるいは水溶性の置換基で交換し構造,物性の異なる包接骨格分子を合成した. 2.固相,溶液相,吸着相の包接骨格分子に対して,種々の温度でガンマ線を照射し水素を包接させた.水素包接には,骨格の末端置換基が嵩高くかご分子間に空間が存在することが重要である.同様に,吸着媒に吸着分散させることが有効であることが分かった. 3.8量体よりも大きなサイズを持った包接分子には,常温では水素が包接されないことが明らかになった.低温照射によって補足された水素原子の脱離挙動を検討した結果,拡大サイズを持つ包接骨格の5量体環を通る水素の脱離が低温において進行することが原因である. 4.脂溶性の8量体骨格に補足された水素は,溶液中に比べて固相中の方が水素の脱離速度が大きいことが明らかになった. 5.種々の包接骨格中の水素のスピンハミルトニアンを決定した結果,1s軌道の大きさは骨格サイズによって変化するが,包接された水素の基底状態にたいする,励起状態の混入の程度は,骨格サイズには強く影響されないことが明らかとなった. 6.包接水素原子のスピン状態に対して骨格外の酸素分子は緩和時間を減少させるが,T_1がT_2に対比べて強く影響をされることが明らかとなり,酸素の早い分子運動が大きな役割を担っていると考えられる.
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