配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1996年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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研究概要 |
ここ十年余り追跡調査している広島固定標本の継続調査を,この3年間も安佐医師会の全面的な協力により継続して調査し,体格と血清化学的計測値の収集を行った。 これまでに収集した調査資料を入力し,スリーニングなどの末2364名のデータが計算機で使えるようにはなった.このうち男子793名と女子483名に対して,出生時から成人までの身長の成長模型で乳幼児期のmid-growth spurtをも表現しうる成長模型を模索し,新たに2つの成長模型が提案できた.これらは,思春期や学童期の相対成熟度を基にして,mid-growth spurtをも表現しうる成長模型である.この新しい模型は,これまでによいと言われていた成長模型JPA2および゙Count-Gompertz模型と同程度以上にデータに対してあてはまりが良かった.しかし,mid-growth spurtを対象にする場合にはそれに対する基礎研究が必要である. 「初潮時年齢と成人の身長との間には関連性はない」が定説であった.初潮時年齢と成人身長の間には,偏相関を考えると高い関連性がある.その関連性は初潮時身長または初潮時身長と成長完了時年齢とを一定にすると初潮時年齢と成人身長との間には強い負の偏相関がある.同様なことが,2つの生物学的現象(最大成長時,最小成長時,mid-growth spurt時,初潮時)に関連する生物学的母数に対しても言えることが分かった.これらの結果は成長予測などに利用でき,肥満予測や肥満型の成人病などの予測に応用できる. 経年的なアルカリフォスファターゼの値や総コレステロールの値は,成長速度曲線に関連がある事は判ったが,その結果を客観に評価することは出来なかった.固定標本を経年的に追跡して資料の収集を図るために,計算機に不慣れな医師や看護婦でも出来るソフトウエアの開発を,一般社会に普及しているパーソナルコンピュータの上で行った.
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