研究課題/領域番号 |
08610098
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験系心理学
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研究機関 | 筑波技術短期大学 |
研究代表者 |
安東 孝治 筑波技術短期大学, 聴覚部電子情報学科, 講師 (50222782)
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研究分担者 |
吉野 公喜 筑波大学, 心身障害学系, 教授 (80092659)
志水 康雄 筑波技術短期大学, 聴覚部電子情報学科, 助教授 (60015873)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 聴覚障害 / 聴覚フィードバック / 単音節 / 母音 / 受聴 / 発語 / 明瞭度 / 聴力レベル / 100音節 / 受聴明瞭度 / 発音明瞭度 |
研究概要 |
聴覚障害児における単音節の受聴明瞭度並びに発音明瞭度、そして聴力レベルの相互関連性を検討した結果、受聴明瞭度と発音明瞭度との相関は高いことが見い出され、単音節の発語の明瞭さにおける聴覚フィードバックの重要性が示唆された。また、両明瞭度共、平均聴力レベルとの間に負の相関が認められたが、平均聴力レベルが90〜110dBにある聴覚障害児・者にあっては個人差が著しく、聴力レベルとの間には一義的な関係にはなかった。 平均聴力レベル90〜123dBの難聴児を対象に、100音節の発語明瞭度、健聴児の発語による母音の受聴明瞭度、母音の発語明瞭度並びに自己の発語による母音の受聴明瞭度の相互関連性を検討した結果、それらの異聴には一定の傾向が見られ、発語において聴覚フィードバックを有効に活用している聴覚障害児の有する音響・音韻的範疇は、健聴児により近似するものであることが推察された。また、母音の発語明瞭度が高くても語音聴取能の低い者は発語明瞭度が低いことが示唆され、子音を含む発語の明瞭さには、母音の発語の明瞭さに加えて聴覚フィードバックが重要であることが示唆された。 また、平均聴力レベル90dB以上の難聴児の発語した破裂子音における有声・無声の対立において、健聴者による聴覚的評価とVOT(Voice Onset Time)の差異を分析・検討した結果、聴覚障害児の発語には、聴覚的には同一単音節と評価されるものであっても、当該児の内では相異なる音節として発語されている可能性のあるもののあること、音節によっては、VOTの差が、無声と聴覚的に評価される割合を良く反映しているもののあることが示唆された。個々の症例を見ると、ほぼ全評価者が同一と評価した音節でありながら、無声音のVOTが有声音に比べて明らかに長かった症例が認められると共に、一方で、評価者全員が同一と評価した音節であって、かつVOTに差が認められなかった症例も存在した。
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