研究課題/領域番号 |
08640534
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体地球物理学
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
鈴木 敏弘 学習院大学, 理学部, 助手 (40235974)
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研究分担者 |
赤荻 正樹 学習院大学, 理学部, 教授 (30126560)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1997年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1996年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 地球中心核 / 超高圧実験 |
研究概要 |
6-8型マルチアンビル超高圧発生装置を用いて、10〜15GPaの圧力において超高圧下での金属鉄と珪酸塩鉱物の反応実験を行ない、酸素、珪素などの元素が金属鉄中にどのように溶解するかを調べた。2000℃以上の温度では、金属鉄及び珪酸塩のどちらも完全に融解していた。実験後に急冷して回収した試料中の金属鉄の組織を観察したところ、15GPaで行った実験では樹脂状結晶が成長している部分と、泡のような球状の組織が存在している部分があった。この樹脂状結晶は、試料を急冷した際に溶融金属鉄から析出したFeOだと考えられる。一方、球状組織も組成はFeOであるが、こちらは組織と金属鉄粒子中での分布状態から考えて、溶融金属鉄とは不混和状態で共存していた酸素に富む液体だと考えられる。また、この金属鉄中の珪素の溶解量は非常に小さく、最大でも1重量%を越えることはない。また、金属鉄中のFeO量は共存する珪素塩鉱物の組成に依存しており、珪酸塩鉱物中のFeO量が減少すると共に、金属鉄中に溶解するFeO量も減少した。また、10GPaで行った実験では、金属鉄中に溶解している酸素量は非常に小さくなっており、水素だけが金属鉄中に溶解していたと考えられる。現時点では、金属鉄と珪酸塩鉱物のどちらとも反応しない試料容器が存在しないため、試料を化学平衡にまで到達させることが出来なかっただけではなく、試料容器やヒーターからかなりの量の不純物が混入する結果となってしまった。このため、本研究の結果は反応速度の要因も含んだ結果となり、完全に金属鉄と珪酸塩の反応機構を解明するには至らなかった。将来、試料容器の改善、あるいは加圧方法、加熱方法の改善が必要である。
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