研究概要 |
1)機能的骨癒合判定 a)静的歪ゲージ法:骨癒合判定は画像診断と機能診断に分けられ,後者には振動波,微小移動測定法,変位測定法,AE法,歪ゲージ法などが用いられている.我々は歪ゲージ法を臨床応用している.その結果,イリザロフ創外固定器を用いた高位脛骨骨切り術では,静的歪ゲージ法による歪ゲージに生じた歪量(μS)から,創外固定抜去時期や骨癒合不良状態の判定が可能になった. b)動的歪ゲージ法:テレメータ装置を種々の創外固定器に装着,床反力計の上を被験者に3サイクル歩行させた時の歪ゲージに生じる歪量を測定した.その結果,歪量-時間曲線から,動的歪ゲージ法は被験者の歩行状態を客観的に把握できるため,後療法の指標になりうる非侵襲性の診断方法である. 2)骨癒合促進方法 a)基礎的研究:骨癒合の促進方法は生物学的,力学的および生理学的方法に分けられ,生理学的方法には電気刺激,電磁波,超音波,体外衝撃波などがある.我々は低出力超音波パルス(以下,セーフス)を用いた基礎的研究を行った.実験方法は白色家兎脛骨の骨延長部位にセーフスを照射した結果,仮骨量は増大させないけれども,骨成熟を促進させることが証明できた. b)臨床的研究:セーフスを種々の症例に臨床応用した結果,骨延長術が最も有効であり,次に高位脛骨骨切り術,遷延治癒と続き,偽関節が最も不良であった.セーフスは血行不良や固定不足の症例には治療効果が期待しにくい傾向にあった.
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