研究概要 |
AND-OR-EXORの構成:AND-OR-EXOR回路を表現する論理式(EX-SOP)の最小化手法を開発した.最小EX-SOPとは,積項数の総和が最小の論理式である.5変数のNP同値類の全ての代表関数の最小化を行った.次に,共通積項の候補を見つける方法を示し,EX-SOPの最小化アルゴリズムを開発し,実験により5変数のEX-SOPの積項数の上界が9であることを確認した.n変数関数の積項数の上界は15・2^{n-6}(n≧6)である. OR-AND-ORの構成:n変数論理関数をAND-OR二段論理回路で実現すると,ゲート数は最大2^{n-1}+1必要となる.しかし,OR-AND-OR回路として実現すると、ゲート数は最大2^{n/2}+1で十分である.多数のベンチマーク関数に対してAND-OR2段論理回路とOR-AND-OR3段のゲート数と接続線数を比較した. 論理関数の二分解:論理関数fがh(g_1(X1),g_2(X2))の形で表現できるとき,fは二分解をもつという.ここで,X1とX2は共通部分を持たない変数の集合を表し,hは任意の二変数論理関数である.g_iを2段論理回路で実現すると,fは3段論理回路となる.論理関数が二分解をもつか否かを,分解表を用いずに高速に検出する方法を開発した.分解可能な関数の個数を数え上げる公式を導いた.多くのベンチマーク関数に対して実験を行い,9割近い関数が,二分解をもつことを明らかにした. 検査容易なAND-EXOR回路:一般化Reed-Muller論理式(GRM)の最小化手法を開発した.n変数関数に対して,高々2^{n2^{n-1}}個のGRMが存在し,そのうち,積項数最小のものを最小GRMという.GRMの最小化をブール方程式で定式化し,BDD(二分決定グラフ)を用いてこの方程式を解く方法を示した.多出力関数用のGRMのヒューリスティックな簡単化アルゴリズムGRMIN2も開発した.
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