研究概要 |
本研究は、岩盤斜面を任意形状を有する剛体ブロックの集合体と仮定し,不連続変形法解析に模型実験を併用して,ブロック形状と相対的大きさによる挙動の差異を解析的および実験的に検討した.(1)斜面上の矩形ブロックの崩壊モードの発生条件を理論的に求め,不連続変形法解析,底面摩擦模型実験により妥当性を検証した.(2)重心からの乖離度をパラメータとして導入し、理論を任意形状拡張し、破壊発生後の破壊モードの遷移現象について解析的に挙動を確認した.(3)ブロックの相対的寸法と崩壊の到達距離の関連性について模型実験的に検討した.(4)剛体ブロックの集合体の1個に微小変位を加え,周辺ブロックのインターロッキングの発生と局所的なダイレーションの増加を調べることにより,ブロックの相対的寸法と破壊進展動および変形性能との関係を調べた.ブロックの大きさが相対的に小さくなるにつれて,不連続面の総量が増えることから,応力が面を介して広い範囲に一様伝達されることが明らかとなった.変形に対する追従性も大きくなり,不連続体でありながらも連続的な挙動が見られた.(5)崩壊実験のために、 底面摩擦模型実験装置,傾斜台模型実験装置、遠心戴荷模型実験装置を新たに開発作成した.(6)砕石ブロックの形状と大きさを測定し,CADと画像解析を用いて定量化した。(7)任意形状からなるブロック集合体の動的な破壊進展挙動について調べ,集合体内の間隙量が崩壊形態に大きく関与することが明らかとなった。(8)現場での岩盤挙動のモニタリングにおいて多くのノイズ成分を含む計測データより正確な岩盤挙動を把握する方法について新たに提案し,その適用性について検討した。
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