研究概要 |
岩盤斜面の構成単位である,単体の任意形状の多角形ブロックに関する滑りと回転を伴う破壊挙動に着目して,ブロック形状および表面の性質と破壊発生後の挙動との関連性を明らかにするための模型実験と数値実験を実施した。 まず,任意形状の多角形ブロックの挙動を評価するために,各種形状の単体ブロックからなる模型斜面を作成し,底面摩擦模型実験装置により破壊発生後のブロックの挙動と破壊モードの遷移現象について調べ,不連続変形法およびマニフォルド法等の不連続体解析プログラムによる数値実験も行った。形状のフラクタル次元,スペクトル解析結果,真円や矩形からの乖離度等をパラメーターとして,形状と崩壊現象との関連性を調べた。破壊の進行に伴い,当初予定されていた破壊モードから別の破壊モードへ,破壊モードが遷移する現象が確認でき,また,形状の差異により,破壊モードの遷移に差異があることが明らかとなった。 次に,ブロックの集合体としての挙動を調べるために,長方形ブロックおよび任意形状のブロックにより岩盤斜面のモデルを作成し,現有の傾斜台模型実験装置により,ブロックの相対的な大きさをパラメータとして崩壊実験を行った。なお,実験に用いたブロックに関しては,デジタルビデオカメラによりブロックの寸法や大きさを測定し,概略の形状の評価を行った。崩壊実験では,実験前後の状況をデジタルビデオカメラにて記録し,実験後に画像解析により数値化した。本実験により,破壊発生後の斜面形状や,岩石の到達距離に関して,ブロツクの相対的な大きさや形状が関与することが実験的に明らかになった。
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