研究課題/領域番号 |
09279102
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
神谷 律 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (10124314)
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研究分担者 |
山本 啓一 千葉大学, 理学部, 教授 (70053361)
新免 輝男 姫路工業大学, 理学部, 教授 (80114510)
児玉 孝雄 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (30034200)
豊島 陽子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (40158043)
桑島 邦博 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (70091444)
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研究期間 (年度) |
1997 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
168,000千円 (直接経費: 168,000千円)
2000年度: 30,500千円 (直接経費: 30,500千円)
1999年度: 30,000千円 (直接経費: 30,000千円)
1998年度: 76,500千円 (直接経費: 76,500千円)
1997年度: 31,000千円 (直接経費: 31,000千円)
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キーワード | 軸糸ダイニン / 植物ミオシン / クラミドモナス / シャジクモ / 原形質流動 / カルモジュリン / 一分子生理学 / 突然変異株 / ミオシン / ダイニン / 微小管 / グルカン合成酵素 / ADP / 植物細胞 / 鞭毛・繊毛 / ATP / 光ピンセット / 細胞運動 / 力発生 / シャペロニン |
研究概要 |
本研究は、多様な生物分子モーターの機能的特徴を解析することを目的にし、特に、鞭毛ダイニンと植物ミオシンの機能的特徴を重点的に研究した。鞭毛繊毛運動を作り出しているモータータンパク質軸糸ダイニンは、周辺微小管上に11種類もの分子種が存在する。それぞれが異なる機能特性を持つことが示唆されているが、詳細は明らかではない。本研究では、まず、内腕ダイニンの特定の分子種を欠損したクラミドモナス突然変異株を単離し、内腕ダイニン分子種cの特性と局在に関して重要な示唆を得た。また、各種ダイニンと相互作用するタンパク質の解析から、ダイニンを微小管上に結合させる新規タンパク質の存在が明らかになった。さらに、軸糸ダイニンの運動特性の解析としてははじめて、ダイニン一分子の力発生が測定され、外腕ダイニンがATP濃度に応じて運動特性を変化させるというこれまで知られていない性質が発見された。植物ミオシンの研究では、タバコ培養細胞から、新規ダイニンが2種同定された。その一つはカルモジュリンを結合していた。また試験管内運動系においては、カルシウム存在下で運動性が低下することが見いだされた。カルシウムによる運動阻害が植物細胞で明瞭に示されたのは、これがはじめてである。また非常に高速の運動を起こすことが知られているシャジクモミオシンの遺伝子のクローン化と一次構造の決定、さらに、その培養細胞、細胞性粘菌内での発現に成功した。興味深いことに、この高速ミオシンの頭部と粘菌ミオシンの尾部を結合した分子は、粘菌ミオシンよりは高速ながらシャジクモミオシンそのものよりははるかに低速の運動しか起こせなかった。したがって、このミオシンが高速運動を行う理由の解明は今後の研究に委ねられた。
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