配分額 *注記 |
41,500千円 (直接経費: 41,500千円)
1999年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1998年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1997年度: 37,200千円 (直接経費: 37,200千円)
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研究概要 |
ミセル電動クロマトグラフィー(MEKC)は中性化合物も分離可能としたキャピラリー電気泳動(CE)の分離モードの一つである。キャピラリーゾーン電気泳動(CZE)の泳動液にイオン性ミセルを擬似固定相として添加して,クロマトグラフイーの分離原理に基づいて行う分離法である。界面活性剤を用いるために通常のCZEとは異なる特性を有する。問題点としては,質量分析計(MS)を直接結合して検出器として用いる場合,エレクトロスプレーイオン化法(ESI)をインターフェースとすると界面活性剤がイオン化効率を低下させる。CZEの濃度感度を上昇させるために種々のオンライン試料濃縮法が開発されているが,それらはキャピラリー内での不連続な組成を持つ泳動液間での電気泳動速度の違いに基づいているが,中性化合物についてはこのような濃縮法もそのままでは利用できない。本研究ではMSをMEKCと直接結合することにより,高感度,同定可能な検出法として利用する方法の開発を目的とした。一方,MS検出に限らず,濃度検出感度を増強するために,MEKCのための種々のオンライン試料濃縮法を開発することも目的とした。前者に関しては界面活性剤の存在がイオン化効率を低下することのないイオン化法として特注の大気圧化学イオン化法(APCI)をインターフェースとする方法と,ESIをインターフェースとする市販MSの両方を利用し,MEKC-MSについて検討した。種々の工夫によりMEKC-MSは可能であるが,広く一般に利用されるためにはさらなる装置の改良が必要であると言える。一方,オンライン試料濃縮法については,スウィーピング法という濃縮原理を開発し,擬似固定相と親和性の強い疎水性の高い試料分子やイオン等については4〜5桁の感度上昇が可能となった。今後はオンライン試料濃縮法とMS検出とを組み合わせた方法の開発を行う予定である。
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