研究課題/領域番号 |
09307015
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 福井医科大学 |
研究代表者 |
加納 永一 福井医科大学, 医学部, 教授 (70065910)
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研究分担者 |
三橋 紀夫 群馬大学, 医学部, 助教授 (20008585)
大西 武雄 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60094554)
西村 恭昌 近幾大学, 医学部, 教授 (00218207)
片山 寛次 福井医科大学, 医学部, 助教授 (30204431)
林 幸子 福井医科大学, 医学部, 助手 (00218570)
上田 公介 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (20128648)
新部 英男 群馬大学, 医学部, 教授 (90008293)
井上 俊彦 大阪大学, 医学部, 教授 (70028512)
増田 康治 九州大学, 医学部, 教授 (10037377)
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研究期間 (年度) |
1997 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
37,700千円 (直接経費: 37,700千円)
2000年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
1999年度: 9,600千円 (直接経費: 9,600千円)
1998年度: 9,600千円 (直接経費: 9,600千円)
1997年度: 13,300千円 (直接経費: 13,300千円)
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キーワード | 温熱感受性 / 放射線感受性 / 集学的制がん実験 / p53遺伝子及び蛋白 / Hsp72 / 細胞周期応答 / 熱帯産生薬成分 |
研究概要 |
加納・林等はマウスMT158-8細胞のp53 deficient株、wild type(wt)p53及びmutant(m)p53株を用いてそのHydroxyurea(HU)による細胞位相同調を比較した。その結果p53 deficient株及びwt-p53株はHUにより高品位にG^1〜S境界に同調されたが、m-p53株の同調品位ははるかに低かっか。この3細胞株の温熱感受性はいづれもS期で高かったが、deficient株とwt-p53株の2株はm-53株に比べて温熱高感受性であった。p53 geneは温熱感受性を規定するgenesの内の少なくとも一つとなっている。Japanese J.Hyperthermic Oncology 16:107-115,2000 西村等はTirapazamine(TPZ)、Ortho-chloracetyl carbamoyl fumagillol(TNP470)、40℃60分加温(MHT)、ガンマ線照射、シスプラチン、Brdu等の難解複雑な併用処理を行い、その後cytochalasine B等を指示薬として用い、照射やシスプラチンにかかわらずTPZとMHTの併用効果を認めた。 Int.J.Radiat.Oncol.Biol.Phys.47:799-807,2000 大西等はヒト膠芽腫細胞を用い、放射線による温熱感受性の増感はその放射線のlinear energy transfer(LET)とp53 statusの両方に依存している事を観察した。Int.J.Radiat.Oncl.Biol.Phys.47:489-494,2000 三橋等は52例の子宮頚がん(当然の事ながら偏平上皮がん)患者にいづれも外部放射線と3回の膣腔内brachytherapyを行った。HPVの16,18及び33型についてPCR法で鑑別した。又、p53についてはPCR-SSCP法でそのstatusを検定した。HPVは76.9%の患者に出現し、p53 statusがmutantであった患者は26.9%であった。HPVの存在とp53 statusの間には有意相関があった。mutant p53の患者はその50%で再発し、wt-p53の患者はその80%で局所制御された。p53のmutationは局所再発と有意に相関した。またp53 statusは、再発なしの生存率曲線と局所制御率との間で有意差を示し、StageIIIB子宮頚がん患者の放射線治療における予測因子となり得るようである。Cancer 91:80-89,2001 片山等は進行胃がんの腹膜転移の予防と治療のための持続的腹膜温湯潅流(CHPP)を32例の進行がんに根治的摘除術及びCHPPを行った。その内15例では腹腔転移の予防(腹膜浸潤が疑わしい症例)をはかり、17例(腹膜浸潤の疑いの低い症例)についてはCHPPをほどこして治療的効果を期待した。これらの患者を手術のみの対照群と術後腹膜再発について比較した。予防的CHPPによる腹膜再発と発生率は各々26%と35%で、手術のみの対象群が各々42%と17%であるのに比べて有意に高かった。therapeutic CHPP処理群の中心生存率は11ヶ月、これに対し摘除術後のみの群は6ヶ月で、対照群より長期に渡って生存した。予防的CHPPの研究ではCHPPは独立の予後因子ではあるが、治療的CHPPにおける独立の予後因子は、むしろ完全な摘除術であることが解った。CHPPはすでに発生した腹腔内転移には特段の根治的効果はないが、腹腔内転移を予防するための治療法としては有効である事が解った。更に術後のランドマイズドトライアルが必要であろう。Oncology 57:106-114,1999
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