研究課題/領域番号 |
09440037
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
幾何学
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
伊藤 仁一 熊本大学, 教育学部, 助教授 (20193493)
|
研究分担者 |
田中 実 東海大学, 理学部, 教授 (10112773)
平峰 豊 熊本大学, 教育学部, 教授 (30116173)
金丸 忠義 熊本大学, 教育学部, 教授 (30040033)
菅原 邦雄 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (20093255)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1999年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
|
キーワード | 最小跡 / 距離関数 / リーマン多様体 / ハウスドルク測度 / Lipschitz性 / ボロノイ領域 / 測地線 / 凸多面体 / ハウスドルフ測度 / lipsehitz性 |
研究概要 |
リーマン多様体の最小跡の構造に関して、最近、コンパクト曲面においては最小跡の長さが有限であることが分かり、Ambroseの問題が曲面の場合に肯定的に解決した。そこで、本研究では、最小跡の構造の研究を進めることを第1の目的とし、その結果を用いて大域のリーマン幾何に応用する事を第2の目的とした。 最重要課題の最小跡までの距離関数のLipschitz性が、田中(分担者)との共同研究において、初度中に証明でき、現在印刷中である。この結果より、最小跡内に距離が定義でき、最小跡の幾何学の誕生を意味するものと思われる。そこで、最小跡に自然に定義される幾何構造は何かという問題が生じる。曲率を上から(または、下から)制限したAlexandrov空間ではないことが分かり、何らかの意味で全曲率が有限のような距離構造を定義し、考察することが期待される。 C^∞級リーマン多様体の最小跡に、何らかのstratificationを示そうとする研究においては、作業仮説として、各最小点でのHausdorff次元未満のHausdorff測度零集合を除けば、最小跡がその次元の部分多様体となることを示すことに、極めて複雑な証明方法を用いては成功し(田中との共同研究)、簡略化することを検討中である。 最小跡の構造と関係の深い距離関数の臨界値の集合に対して、3次元の場合にはルベーグ測度ゼロ(Sard型の定理)という結果まで昨年度中に得られ、1/2次元Hausdorff測度がゼロとなるまで拡張された(田中との共同研究)。この方法を用いると4次元の場合にルベーグ測度ゼロまで期待される。 第2の目的では、Ambroseの問題の一般次元の解決には至らなかったが、Hadamard多様体のポロノイ領域の面の個数評価や、4次元凸多面体の最小跡のうち距離関数の臨界点を含む部分(essential cur locus)の構造は、比較的簡明であること等が分かった。また、非コンパクトの場合にいくつかの例に対して無限遠の理想境界を決定はされたが、無限遠点の最小跡を考察するまでには至らなかった。
|