研究分担者 |
中村 裕之 北九州工業高等専門学校, 助教授 (70172434)
御手洗 志郎 九州大学, 理学部, 助手 (00108648)
杉光 強 九州大学, 理学部, 助教授 (70037216)
郷農 靖之 九州大学, 理学部, 教授 (50016127)
森信 俊平 九州大学, 理学部, 教授 (50016078)
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研究概要 |
この研究の目的は,Inverse PIXEと呼ばれる重イオンビームからのKX線を分析する方法を36Cl-AMSに応用して,X線スペクトルによって同重体原子36Sを分離する新方式AMSの開発である. 1 Inverse PIXE法によるAMS測定技術の確立 本研究費によって購入した高分解能Ge検出器を用いて,タンデム加速器からのCl,SビームをTiターゲットに照射し,KX線の放出強度のエネルギー依存性,KX線収量,最大の検出効率が得られるターゲット条件等を求める実験を行った.その結果,比較的高い入射エネルギーの下では,Clイオン当たりに約0.5の高い確率でKX線が放出されることが確認された.また,九大タンデム加速器で得られる80MeV程度のビームエネルギーがこの測定方法による36Cl-AMS実験にとって最適の条件を与えることが確かめられた. 2 AMS専用イオン源及びタンデム入射系ビーム分析装置の製作 加速器質量分析専用イオン源として多サンプル装填型のセシウムスパッタリングイオン源及びタンデム入射部ビーム分析装置の製作を完了し,AMS実験を進めるために十分な強度が得られることが確かめられた. 3 AMS測定の新方式の構築 この研究課題で得られた成果に基づいて高能率で重イオンAMS測定が可能となる新方式を提案し,進めている. 4 241Am線源による薄膜厚み計と可搬型PIXE 241Amからの放射線(γ線,X線α線)を照射して,蛍光X線分析によって薄膜の厚さを高精度で測定する方法を開発した.この過程でα線照射による特性X線の測定が,加速器を必要としない可搬型のPIXEとして有効であることを見いだした.
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