配分額 *注記 |
11,500千円 (直接経費: 11,500千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1997年度: 7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
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研究概要 |
1.木星シンクロトロン電波観測の受信機部の製作が行こなわれた。最低検出感度0.1ジャンスキーを実現するために必要な前置増幅部を開発し,受信機雑音温度75Kという低雑音前置増幅器を完成させた。 2.高精度の木星シンクロトロン電波観測に必要な受信機較正システムを開発・製作し,所期の性能を持つシステム完成させた。すなわち,ループ法による位相・利得較正方法を確立しフロントエンド間の相対位相差を5.6°,相対利得を0.2dB以下に収束させる事が可能になった。 3.製作された受信機部・較正部を,大型アンテナに接続して,観測システムの性能確認試験を行い,受信感度,アンテナビーム幅とも,初期の設計値どうりであることを確認した。アンテナ出力の加算による受信感度の増加を確認すると供に,327MHzでの銀河電波マップを作成した。 4.名古屋大学太陽地球環境研究所の木曽観測所及び富士観測所の327MHz電波望遠鏡を用いた木星メートル波の同時観測を行い,木星シンクロトロン電波の強度変動を検出した。 5.通信総合研究所の34mパラボラアンテナを用いた木星デシメートル電波の観測から,短期変動(数日から10日の時間スケール)シンクロトロン電波強度の存在を確認した。これらの成果をもとに,太陽UV/EUVの増大が,木星大気に中性風を誘起しこの効果が木星内部磁気圏に粒子の拡散を増強するモデルを提唱した。 6.木星磁気圏から放出される高エネルギー電子のデータ解析から,木星磁気圏は,太陽風の動圧と惑間空間磁場の方向によって,高エネルギー粒子放出の効率が変化すること,さらにこの放出は磁気圏の朝方と夕方側で惑星間空間磁場に対する応答が異なることを明らかにした
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