配分額 *注記 |
12,400千円 (直接経費: 12,400千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1997年度: 9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
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研究概要 |
(1)炭素質コンドライトの暗色包有物の中から,地球の砂岩堆積層にしばしば見られる皿状組織と極めて似たものを発見した。これは,46億年前の微惑星中で水の流動と微粒子の堆積作用があったことを直接示唆する初めての証拠と言える。その解析にもとづいて,我々は,炭素質コンドライトの母天体(太陽系生成直後にできた微惑星)において,水の流動に伴う微粒子の流動化現象があったというモデルを提出した。 (2)マーチソンCM隕石の5GPaから50GPaにおよぶ一連の衝撃回収実験に成功し,その圧力範囲でマーチソン隕石がどのように変化するかを調べた。その結果,これまで不明であったCM隕石の衝撃効果の定量的見積もりが行えるようになった。さらに,マーチソン隕石において,20-25GPaからマトリックス部分が細分化と溶融を起しはじめ,また同時に揮発性成分(おもにH_2O)の急激な気化と膨張を起すことによって,隕石がカタストロフィックに崩壊することがわかった。このことは,25GPa以上の衝撃圧力を受けたCM隕石がなぜ存在しないのか,という隕石学の大きな謎に一つの解答を与えたことになる。 (3)コンドリュール・リムは,コンドリュールが原始星雲中に存在したとき,周りにあった塵をその表面に付着させてできたと一般的に考えられている。しかし,我々は,ヴィガラノ隕石の中から層状ケイ酸塩に富むコンドリュール・リムを発見し,その詳しい研究を通して,リムが隕石母天体における変成作用と角れき岩化作用によって形成された証拠を数多く見い出した。この結果にもとづいて,リムの隕石母天体成因モデルを提出した。
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