研究課題/領域番号 |
09460039
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
植物栄養学・土壌学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
江頭 和彦 九州大学, 農学部, 教授 (20038293)
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研究分担者 |
中原 治 九州大学, 農学部, 助手 (10253519)
和田 信一郎 九州大学, 農学部, 助教授 (60108678)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
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キーワード | 水稲 / 窒素吸収 / マスフロー吸収 / 拡散吸収 / アンモニウム / スメクタイト / アロフェン / 黒ボク土 / 黒ボク士 |
研究概要 |
各区画毎に土壌溶液採取用のホローファイバーと酸化還元電位測定用の白金線をリゾボックスを作成しヒノヒカリを栽培した。栽培には、北陸農業試験場のAl-モンモリロナイト主体の水田土壌と、熊本農業研究センターのAl-腐植複合体とアロフェンを主体とする水田土壌を用いた。土壌溶液の採取は一週間毎に行い、NH^+_4濃度、Fe^<2+>濃度、有機態C,無機質C(CO^+_2HCO^<2->_3)を測定した。 NH^+_4吸収様式は、土壌のコロイド組成によって異なっていた。スメクタイト質土壌の場合、PhaseIにおいてもPhaseIIにおいてもマスフローが中心であった。これは拡散中心の吸収であると結論した伊藤(1992)の結果に反している。また、PhaseIIにおいては根圏のpH低下に伴うECECの減少が、NH^+_4の移動を促進していることが示唆された。 一方アロフェン質土壌の場合は、PhaseIではマスフローが中心で、PhaseIIでは一転して、拡散による吸収が中心であった。また、夏季にヒノヒカリを栽培した場合には、PhaseIにおいて根圏近傍でNの有機化が進行し、PhaseIIでは無機化が進行していることを示唆するデータを得た。この結果は水稲が根圏土壌をNの貯蔵庫として利用していることを示唆している。 経時的に根圏土壌を採取できるリゾボックスの作成を試みた。その結果、有機態Nプロファイルは、土壌のコロイド組成によって異なっていた。スメクタイト質土壌よりも黒ボク水田で、根近傍の有機態N濃度変化が大きかった。しかし、生育10日後以降、水補給孔のガラス繊維ろ紙に、糸状菌が大増殖したため、透水係数が極度に低下し、リゾボックス下部からの水供給が行えなくなってしまった。そこで、根圏における有機態Nの変化が、現実の圃場を再現できずに終わってしまった。
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