研究課題/領域番号 |
09460049
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用微生物学・応用生物化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
江崎 信芳 京都大学, 化学研究所, 教授 (50135597)
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研究分担者 |
栗原 達夫 京都大学, 化学研究所, 助手 (70243087)
吉村 徹 京都大学, 化学研究所, 助教授 (70182821)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1998年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1997年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
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キーワード | フルオロ酢酸デハロゲナーゼ / L-2-ハロ酸デハロゲナーゼ / パラカタリティック失活反応 / 結晶構造解析 / 立体構造モデリング / 脱ハロゲン / フッ素 / ヒドロキシルアミン / アンモニア / 2-ハロ酸デハロゲナーゼ / Asp105 |
研究概要 |
フルオロ酢酸デハロゲナーゼとL-2-ハロ酸デハロゲナーゼの構造と機能の関連を調べた。両酵素反応はいずれも二段階で進行するが、第一段階では、活性中心アスパラギン酸残基の側鎖力ルボキシル基の酸素が基質ハロ酸のα-炭素を求核攻撃することでハライドイオンが脱離すると共に、酵素と基質からなるエステル中間体が生成する。続く第二段階でエステル中間体が加水分解されてアスパラギン酸残基が再生すると共に、ヒドロキシ酸が生成する。L-2-ハロ酸デハロゲナーゼについて、基質アナログとの複合体や、エステル中間体を形成した段階で反応が止まる変異酵素のエステル中間体の結晶構造を解析した。特に、基質カルボキシル基と結合する部位、基質から脱離するハライドイオンを受け取る部位を明らかにした。フルオロ酢酸デハロゲナーゼについては、ヒドロキシルアミン及びアンモニアを用いたパラカタリティックな酵素修飾反応を行った。その結果、いずれの求核試薬を用いた場合にも、Asp105が修飾されることが明らかになり、本残基が触媒残基であることが示された。本酵素の立体構造のモデリングを行い、活性中心付近の構造を調べた。エステル中間体を攻撃する水分子を活性化すると考えられるHis272はAsp105近傍に位置した。基質からのフッ素引き抜きにあずかりうる位置にはArg106とTrp151が存在した。活性中心近傍は主として疎水性アミノ酸残基と塩基性アミノ酸残基から構成されていた。この環境はAsp105の側鎖力ルボキシル基の求核性を高める効果があると考えれられ、結合エネルギーの大きい炭素-フッ素結合を求核攻撃で切断する上で、重要な要因と考えられた。これに対し、フッ素脱離能のないL-2-ハロ酸デハロゲナーゼの活性中心近傍は、もっぱら親水性アミノ酸残基によって占められていた。
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