研究課題/領域番号 |
09470261
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
小山 研二 秋田大学, 医学部, 教授 (80004638)
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研究分担者 |
伊藤 正直 秋田大学, 医学部, 助手 (80282169)
佐藤 勤 秋田大学, 医学部, 助手 (90235367)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
13,300千円 (直接経費: 13,300千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 11,300千円 (直接経費: 11,300千円)
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キーワード | 肝硬変 / 肝癌 / 肝血行遮断 / 肝代謝 / 熱ショックタンパク |
研究概要 |
肝切除術における術中出血の減少は、手術の安全性を高めるとともに、術後の肝不全を予防する上で最も重要な事項である。術中出血を減少させる確実な手段は、全肝血行遮断下に肝切除を行うことであるが、血行遮断による低酸素のために肝障害が生じやすく、特に、肝硬変では高度である。 本研究は、肝切除の周術期に肝賦活特殊治療を複合的に行って、肝予備能を高め、長時間の全肝血行遮断に耐え、肝切除の安全性を向上させることで手術適応を拡大し、肝硬変例の手術をも可能にすることを目指すものである。 本研究において確立した研究方法と得られた成果は以下のごとくである. 1、 肝血行・代謝動態の検索システムの構築し、肝酸素消費量及び電解質代謝の連続測定と電算機処理を可能にした。これにより、血行遮断、各種薬剤投与や温熱負荷など肝を特殊環境下における肝循環動態と肝代謝の適切な評価を可能にした。 2、 肝流入血行のみの遮断の際は、肝静脈への逆流血液が肝阻血障害を軽減する。 3、 硬変ラットても温熱負荷による肝細胞内Heat Shock Protein(HSP)の誘導が肝細胞を保護する。HSP誘導を早期に予知するために、そのmRNAの段階で検索可能にした。 4、 肝動脈・上腸間膜動脈からのPG-E1注入が、肝動脈・門脈血流量と肝組織酸素飽和度を増加させた。上腸間膜動脈からのPG-E1注入は、肝動脈閉塞例さの肝不全の予防と治療に有用であることを臨床例ども確認した。 総括:本研究の結果から、肝硬変合併肝癌切除の際の肝血行遮断の安全性向上のためには、術前の軽度の温熱負荷によってHSPを誘導するPreconditioningと、術前・術後の上腸間膜動脈からの選択的PG-E1注入によって達成されることが明らかにされた。
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