研究課題/領域番号 |
09470519
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人類遺伝学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
北嶋 繁孝 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (30186241)
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研究分担者 |
大城 聡 (大城 聰) 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (30160485)
土屋 輝昌 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (20242109)
安河内 幸雄 (安河 内幸雄) 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (60037398)
麻生 悌二郎 東京医科歯科大学, 癌研究会研究所, 研究員 (20291289)
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研究期間 (年度) |
1997 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
13,300千円 (直接経費: 13,300千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1997年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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キーワード | TFIIF / RAP743極構造 / HIV Tat作用 / 転写伸長 / 転写リサイクリング / エロンガン / 精巣特異的A2 / エロンガン遺伝子ターゲッテイング / RNAポリメラーゼII / 組織特異的因子 / 開始型 / 伸長型 / トリプシン分解 / 組織特異的エロンガン / 転写制御 / p32 / p30 / RNAポリメラーゼIIホロ酵素 |
研究概要 |
TFIIFは、転写開始/伸長因子として作用するユニークな転写因子である。一方、エロンガンは、転写伸長因子としてのみ働くが癌抑制因子のVHLと結合することから発癌における働きが注目されている。我々は、この2因子についての機能解析を行い以下の結果を得た。 1.TFIIFの機能解析 TFIIFのRAP74サブユニットは、そのアミノ酸配列から、N-末、C-末の球状構造、これらの間の中央ドメインから構成されると類推される。我々は、自己免疫疾患患者血清に中央ドメインに高い特異性を示す自己抗体を見い出し、さらに、この領域と特異的に結合する遺伝子産物p32を酵母2ハイブリッド法によって単離した。P32は、HIVウイルスのTatと結合しTFIIFの転写伸長活性を促進するが、p32はHIVの増殖過程で何らかのメカニズムにより核へ移行してTの転写伸長促進作用を介していることが示唆された。一方、RAP30,RAP74の発現M13ウイルスを同時に感染させることによりTFIIFを完全な複合体として発現、精製しトリプシンによる限定分解の結果、RAP74が3極構造をとること、RAP30は、TFIIF分子の内側に存在すること、 in vitroでの転写開始複合体においてRAP74は外側にあること、TBP,IIBは、内側に存在することがわかった。C-末領域については、RNA polymeraseII脱リン酸化活性を持つFCP1が結合することが報告された。本領域を細胞内で強制発現させてもリポーター転写には影響は認めなかった。FCP1を介して転写リサイクリングにRAP74が重要な働きをしているというアイデアは今後、さらに検討する必要がある。現在、TFIIF全分子の構造解析を続けている。 2.エロンガンの解析 新規エロンガンAをヒトゲノムESTより単離しA2と命名した。A2は、Aが組織非特異的に発現されるのに対して精巣特異的に高い発現を示した。リコンビナントA2は、試験管内でRNAポリメラーゼIIによる転写伸長活性を促進し機能的にもエロンガンファミリーであることが確認できた。753アミノ酸で構成されエロンガンAと47%のidentity、61%のsimilarityを有していた。A2はAと同様にエロンガンBCと結合できたが転写伸長活性を促進することはなかった。A2は、精巣において特異的な遺伝子転写の伸長活性を制御している可能性が考えられる。我々は、さらに新規なエロンガンA3をも同定しており、それについても解析を行っている。また、生体内でのこれらの機能を理解するためにノックアウトマウスの作成を試みておりES細胞ノクローニングを終了した段階である。
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