研究課題/領域番号 |
09555146
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
構造工学・地震工学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
三浦 房紀 山口大学, 工学部, 教授 (60109072)
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研究分担者 |
瀧本 浩一 山口大学, 工学部, 助手 (50263794)
清野 純史 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00161597)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
1998年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1997年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 杭基礎 / 耐震設計 / ジョイント杭 / レベル2地震動 / 液状化 / 地盤の側方流動 / 非線形動的解析 / 杭 / 側方流動 / 耐震ジョイント / 非線形解析 / 動的解析 / 連成解析 |
研究概要 |
阪神・淡路大震災では極めて多くの杭基礎の被害が生じた。そして検討の結果、杭基礎に大きなたわみ性を持たせて地盤変位に耐えうる機構とすることの重要性が認識された。その結果、高靭性、および大きな回転特性を持つ耐震ジョイントを有するジョイント杭が開発された。本研究はこの耐震ジョイント杭の地震時における有効性を明らかにし、杭基礎の合理的な設計法の資料を提供しようというものである。この耐震ジョイント杭の液状化による地盤の側方移動に対する有効性は既に明らかにされているが、その高い回転性能が故に地震時には応答量、特に応答変位が大きくなるのではないかという点に危惧がもたれていた。 そこで本研究ではこの点を明らかにするために、まず、既存の杭とジョイント杭の単純載荷試験から得られた曲げモーメント-回転角特性を用いて履歴曲線を仮定、これを用いて構造物-杭基礎-地盤系の地震応答解析を実施し、耐震ジョイント杭が地震時にも有効である可能性を示した。次に地震時を想定して軸力交番載荷試験によって杭と耐震ジョイント杭の繰り返し曲げモーメント-回転特性を明らかにした。この軸力を加えた状態で繰り返し交番載荷するという試験はこれまでに例のないもので、試験装置そのものから新しく開発した。そしてこの曲げモーメント-回転特性の履歴曲線をモデル化し、それを用いた構造物-杭基礎ー地盤系の非線形地震応答解析プログラムの開発を行った。さらにこの手法を用いて2種類の軟弱地盤、および3種類の異なる周波数特性を有するレベル2入力地震動に対して非線形地震応答解析を実施し、耐震ジョイント杭基礎の応答を詳細に検討した。 その結果、耐震ジョイント杭は構造物の応答加速度、応答変位を大きくすることは無く、杭に生じる曲げモーメントを大幅に低減し、杭基礎の安全性を高くすることが明らかとなった。これによって、地震によって地盤の振動開始から液状化によって地盤が側方移動する一連の状況に対して、高靭性能耐震ジョイント杭の有効性が明らかにされたことになる。さらには、ジョイント位置の応答に与える影響、あるいはジョイントの個数なども検討し、杭基礎の合理的耐震設計法に対して有用な資料を提供することが出来た。
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