研究課題/領域番号 |
09610398
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
西洋史
|
研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
西嶋 有厚 福岡大学, 人文学部, 教授 (70078468)
|
研究分担者 |
星之 治彦 (星乃 治彦) 熊本県立大学, 文学部, 助教授 (00219172)
前間 良爾 九州情報大学, 経済情報学部, 教授 (10039365)
松塚 俊三 福岡大学, 人文学部, 教授 (10165821)
河井田 研朗 福岡大学, 人文学部, 教授 (30078448)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1997年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
|
キーワード | ヨーロッパ / 民衆 / 地域 / 宗教 / 小教区 / ドイツ農民戦争 / イギリス国民教育 / ウクライナ / 小数区 / ロシア / 宗教改革 / 共同体 / 自由主義国家 / 教師 / 社会主義 |
研究概要 |
地域・民衆・宗教という歴史学の基礎的な概念からヨーロッパ史像を見直す本プロジェクトは、分担研究者の協力を得て、以下のような効果をみた。 (1)中世キリスト教世界の最底辺に位置する小教区がいかに形成されたかは、フランス=ガリカニスムの成立、ひいてはフランス・ナショナリズムの形成を理解する上できわめて重要な問題であった。 (2)ドイツ農民戦争は帝国でも領邦国家でもない。「下からの」第三の道をとる可能性をもっていたが、結果的には、オランダやスイスの共同体的、同盟的モデルの国家形成には至らず挫折したこと。 (3)イギリスの近・現代国家は今日に至るまで、中央政府が教育の細部まで統制権を行使する国家主導型の国民教育制度=state educationを制度的に完成させなかったきわめて特殊な例であること。かつ、この特殊性こそは21世紀への新たな可能性=全ての個人、集団に開かれた新しいパートナーシップを生み出す逆説的可能性であること。(4)第二次大戦中にソヴィエト・ロシアの支配に抗して戦った「ララーゾフ軍」の分析を通じて、これまでほとんど解明されることがなかった複雑なウクライナ・ロシア関係史の一端が明らかにされた。新たなヨーロッパ史像を再構築するには、依然として多くの問題が残されているが、ヨーロッパ史像を多様性と統一性の両方において抱える一つの試みであったと確信する。
|