研究分担者 |
岡本 和夫 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40011720)
山田 光太郎 熊本大学, 理学部, 助教授 (10221657)
原岡 喜重 熊本大学, 理学部, 助教授 (30208665)
河野 實彦 熊本大学, 理学部, 教授 (30027370)
八牧 宏美 熊本大学, 理学部, 教授 (60028199)
岡 幸正 熊本大学, 理学部, 助教授 (50089140)
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研究概要 |
本研究の目的は,さまざまな古典特殊関数を統一的に理解し,さらに多変数関数への自然な一般化になるように我々が導入した一般超幾何関数(GHF)の性質を調べることであった. [1]:GHFはGrassmann多様体Gr_<r,n>上のholonomic系の解として定義され、P^r上の多価関数を被積分関数とする形式的な積分表示をもつ.この積分表示を de Rham 理論の枠組みでとらえること, すなわち、ある種のcohomologyとhomologyの間の dual pairing として理解することが一般超幾何関数に関する具体的な結果を得る上で重要な問題となる. ここでは,P^r上の積分に対して,そのホモロジー群を無限チェインのホモロジー群として定義し,それがある空間対にたいするコンパクトな台を持つホモロジー群と同型になることを示した。さらに,この結果を用いて特にr=1の場合にホモロジー群の次元を計算しその基底を具体的に与えた。 [2]:一般超幾何関数の最も簡単な場合であるベータ関数B(α,β)および 合流型の一般超幾何関数の中で最も簡単なものであるガンマ関数Γ(α)については次の公式がよく知られている。 【numerical formula】 これら公式を de Rham 理論の観点からcohomoligy classの交点数とhomology class交点数を用いて書かれたものとして理解するという問題がある。我々は一重積分で定義される一般超幾何関数についてそのコホモロジー群の基底をうまく選びその交点行列を具体的に与えた。よい基底を選ぶことによって,その交点行列は超幾何関数の独立変数によらないようにすることがしめされた。交点行列の具体的な決定が可能になった背景には,そのよい基底が各特異点でA型の単純特異点のJacobi環のよい基底として知られていflat basisと類似の性質をもつことがある。
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