研究課題/領域番号 |
09670162
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
金田 典雄 名城大学, 薬学部, 教授 (00144139)
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研究分担者 |
疋田 清美 名城大学, 薬学部, 助手 (30257654)
横山 峯介 三菱科学生命科学研, 生殖工学開発室, 室長
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | トランスジェニック マウス / 黒質神経細胞 / 神経変性疾患 / トランスジェニックマウス |
研究概要 |
パーキンソン病は中脳黒質から線条体に投射するドパミン神経の選択的な変性、脱落に伴うドパミン代謝異常であるが、この選択的細胞死のメカニズムを明らかにするためには黒質ドパミン神経の表現型を保持した細胞株の樹立が極めて重要である。黒質のドパミン神経は数も少なくこれを特異的に株化することは一般に困難であるが、本研究ではドパミン神経細胞特異的な遺伝子プロモーターと細胞を不死化させるための癌遺伝子の発現を組み合わせた発生工学的手法による神経細胞の株化を試みた。 平成9年度において、まずヒトチロシン水酸化酵素(TH)遺伝子プロモーター領域2.5kbに癌遺伝子であるSV40T抗原温度感受性変異株の遺伝子を連結したDNA(14kb)を作製し、トランスジェニック(Tg)マウスの作製を行なった。サザンプロット解析の結果、導入遺伝子の存在が確認されたのは、オス1匹、メス5匹の計6匹であった。得られたTgマウス(Fo)6系統のうち、2系統は生後8〜10週で死亡し、系統を維持することはできなかったが、残りの4系統を維持することができた。 平成10年食度においては、作製したTgマウスの胎仔(胎生13日)から中脳を切り出し、そこからの黒質神経細胞の培養ならびに株化を試みた。まず、T抗原が活性を示す33℃にて培養し、1週間後にT抗原またはTHに対する特異抗体を用いて免疫細胞化学的解析を行った。その結果、いくつかのT抗原陽性細胞のコロニーを見出したが、そこにTH陽性反応を見出すことはできなかった。切り出した中脳の部位に問題がある可能性がある。また、継代培養を続けることによって、神経細胞以外の細胞が増殖し、目的の黒質神経細胞をクローニングすることが困難であることが明らかになった。そこで、薬物による効率的な細胞のクローニングを可能にするため、現在、オマイシン耐性遺伝子を導入したTgマウスの作製を進めている。このネオマイシン耐性TgマウスとT抗原導入Tgマウスをかけ合わせることにより得られる胎仔の中脳から、神経細胞をG418存在下に培養すれば、目的の黒質神経細胞の分離を容易に行うことが可能であると考えている。
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