研究課題/領域番号 |
09670468
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
河野 陽一 千葉大学, 医学部, 教授 (60161882)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 抗甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体 / 抗原提示 / MHCクラスII分子 / キメラレセプター / バセドウ病実験モデル / 副刺激分子 / エピトープ / 甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体 / 抗原提示能 / Costimulatory molecule / バカバウ病モデル動物 / 公甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体 / 甲状腺機能亢進症 / マウス / 主要組織適合抗原 |
研究概要 |
(1) マウス繊維芽細胞(RT4.15HP)に甲状腺刺激ホルモンレセプター(TSHR)遺伝子を導入して細胞表面に機能的TSHRを発現させ、この細胞(RT4.15HP-TSHR)をマウスに免疫する系を用いて抗TSHR抗体産生の遺伝支配を解析した。その結果、RT4.15HP-TSHR免疫によって産生される抗TSHR抗体価が各マウスで異なっていることから、抗TSHR抗体の産生は主要組織適合抗原以外の遺伝子によって制御されていることが示唆された。さらに、刺激型抗TSHR抗体の産生にはTSHRを免疫系に抗原提示する際にH-2クラスII抗原の存在が必須であることを明かとした。この機序として、クラスII陽性繊維芽細胞が細胞表面に発現しているTSHRを何らかの機序によってペプチドとしてT細胞に抗原提示しうることを示した。この結果は、通常はクラスII分子陰性の甲状腺濾胞細胞がクラスII分子を異常発現することが、刺激型抗TSHR抗体の産生を開始あるいは増強する可能性を示している。 (2) 甲状腺刺激ホルモンレセプター(TSHR)遺伝子と分子的に相同性を有するラットの黄体形成ホルモン・絨毛膜性性腺刺激ホルモンレセプター(LH/CGR)とTSHRとのキメラレセプター遺伝子を導入・発現した繊維芽細胞を免疫して抗TSHR抗体産生に重要な部位を検討した。その結果、抗TSHR抗体産生にはTSHR分子上のN末側がきわめて重要であることを明かとした。また、キメラレセプターを発現する繊維芽細胞に対するTSHR応答性T細胞株の応答性から、すくなくともTSHR上のT細胞エピトープが細胞外ドメインのN末またはC末領域にのみ存在しない可能性が示唆された。 (3) 免疫に用いた繊維芽細胞上にはCD80(B7.1)は構成的に発現していた。そこで、さらにCD86(B7.2)遺伝子を繊維芽細胞に導入して、CD80およびCD86を発現する繊維芽細胞株を樹立した。この細胞株にTSHRを発現させて免疫を行ったが、甲状腺機能亢進症を発症するマウスの頻度は変化しなかった。また、甲状腺組織障害像も観察されなかった。以上から、CD86分子の刺激型抗TSHR抗体産生に及ぼす効果は明らかにできなかった。
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