研究課題/領域番号 |
09670652
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
|
研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
安田 斎 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (80135467)
|
研究分担者 |
西尾 善彦 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (40281084)
寺田 雅彦 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (00227521)
北里 宏 滋賀医科大学, 医学部, 名誉教授 (20079700)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 痛覚 / 後根神経節細胞 / Naチャネル / TTX抵抗性 / 糖尿病 / パッチクランプ / 膜電位固定 |
研究概要 |
糖尿病患者では痛覚過敏が観察されており神経活動電位の発生にNa及びKチャンネルが関与していることを考慮すると、これらのチャンネル機能の障害が痛覚過敏に関与している可能性が高い。そこで、糖尿病における痛覚過敏の発症機序を究明するためにストレプトゾシン誘発糖尿病ラットを用いて、特に痛覚に関与していると考えられるtetrodotoxin-抵抗性(TTX-R)Naチャネルの発現が確立しているラット後根神経節細胞小型細胞(直径20-27μm)を単離・培養して、その機能を検討した。 糖尿病は8週のオスSDラットにストレプトゾシン(50mg/kg)を尾静脈へ静注して作製し6週及び8ヶ月後実験に用いた。腰部DRGをコラゲナーゼとトリプシンで処理しDRGニューロンを単離し、ポリオルニチンをコートしたカバーグラス上に細胞を撒布して2〜7時間培養した後実験に用いた。ホールセルパッチクランプ法にて細胞全体を流れるTTX-R Na電流を測定し次の結果を得た。1)DRGニューロンのTTX-R Na電流及び電流密度は糖尿病ラットで対照群に比較し増大していた。2)DRGニューロンのTTX-R Na電流の活性化速度及び不活性化速度は両群で差を認めなかった。3)静止膜電位を含む電位幅、-90mV〜-40mVに保持した後に脱分極させた時のTTX-RのNa電流密度は糖尿病群で増大していた。4)DRGニューロンのTTX-R Naチャネルは糖尿病群でより過分極側から活性化及び不活性化された。これらの成績は6週及び8ヵ月の両方の糖尿病ラットで、ほぼ同様であり、糖尿病ラットの痛覚過敏が、本チャネルを介して糖尿病発症早期から恒常的に起こっていることを示しており、糖尿病患者に観察される痛覚過敏の発症機序の一つが示唆された。
|