研究課題/領域番号 |
09670936
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
伊藤 勝陽 広島大学, 医学部, 教授 (20034035)
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研究分担者 |
梶間 敏男 広島大学, 医学部, 助手 (00224410)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 多発性硬化症 / 拡散強調像 / 拡散係数 / 拡散異方性 / Diffusion weighted echo planar image / 異方性 |
研究概要 |
[研究の背景および目的]拡散強調MRIは生体内の拡散現象を画像によって解析する手法であり、近年MRI装置の発達に伴い種々の疾患に臨床応用され、多発性硬化症についての応用も散見される。ただ脳白質の神経線維の走行に由来する拡散異方性についての検討はほとんど無い。本研究の目的は多発性硬化症に伴うこの拡散異方性の変化を検討することである。 [対象及び方法]1.ファントム及び正常ボランティアに対してMRI検査を実施し、拡散強調像における信号強度から方向別拡散係数を算出した。 2. 多発性硬化症と診断された患者に対してMRI検査を実施し、同様な方法で正常白質および脱髄巣の方向別拡散係数を算出した。得られた拡散計数について、拡散異方性の変化と病期との相関,関連を検討した。 [結果]1. ファントム及び正常ボランティアの拡散係数は過去の文献値とよく一致した。2.多発性硬化症患者において正常白質の拡散係数はボランティアと同等で、明瞭な拡散異方性が観察された。3.脱随巣の拡散係数は正常に比し高値を示したが、拡散異方性に関しては病期により異なり、発生後3ヶ月以上の病巣では異方性が消失したものの、3ヶ月未満の病巣では残存していた。4.拡散異方性の要因としては髄鞘の存在が考えられており、多発性硬化症の早期巣では炎症細胞浸潤、晩期巣では髄鞘破壊が生じるとされていることから、拡散異方性の変化はこの病理的変化に対応していることが示唆された。 [結語]MRIによる拡散強調画像は多発性硬化症の病態評価に有用であった。
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