研究課題/領域番号 |
09670985
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
下田 和孝 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (30196555)
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研究分担者 |
染矢 俊幸 新潟大学, 医学部, 教授 (50187902)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 抗精神病薬 / 代謝 / 個体差 / Cytochrome P450 / 遺伝子解析 / Cytochrome p450 / cytochrome P450 |
研究概要 |
ブチロフェノン系抗精神病薬であるtimiperone(TIM)とhaloperidol(HAL)の還元経路の差異について明らかにするために、TIMで治療中の精神分裂病患者において血中TIMおよび還元型TIM濃度を測定し、TIMの薬物動態学的研究をおこなった。体重あたり投与量が同じでも、TIMの血中濃度はHALのそれの約60%であることがわかった。TIMとHALの還元経路の差異についてより詳細に検討するために、ヒト肝臓cytosolを用いてのin vitro実験をおこない、上記の所見がHALとTIMの固有クリアランスの差によるものであることがわかった。231名のHALで治療中の精神分裂病患者において併用薬物のHAL血中濃度への影響を検討したところ、carbamazepineはHAL血中濃度を平均37%低下させ、phenobarbitalはHAL血中濃度を平均22%低下させ、HALの代謝にCYP3A4が大きく関与していることを確認した。66名のHALで治療中の精神分裂病患者で喫煙のHAL血中濃度への影響を検討したところ、喫煙者ではHAL血中濃度が平均で約23%低下することがわかった。47名の男性精神分裂病患者でCYP2D6遺伝子型とHAL血中濃度、還元型HAL(RHAL)血中濃度およびRHAL/HAL比との関連を検討したところ、CYP2D6*5を持つ個体(CYP2D6*1/CYP2D6*5,CYP2D6*5/CYP2D6*10)ではHAL血中濃度が高い傾向があり、RHAL血中濃度およびRHAL/HAL比は有意に高いことがわかった。66名の精神分裂病患者において、東洋人で頻度の高いCYP2D6変異遺伝子であるCYP2D6*10のHAL血中濃度への影響を検討したところ、CYP2D6*10の個数とHAL血中濃度の間には有意な関係が見いだせなかった。また、2級アミン三環系抗うつ薬のdesipramineの水酸化とCYP2D6変異遺伝子との関連について検討し、CYP2D6変異遺伝子のホモ接合体はCYP2D6正常遺伝子のホモ接合体およびヘテロ接合体に比較して有意にdesipramineの血中濃度が高く、水酸化能は有意に低いことがわかった。
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