概ケーラー多様体内のラグランジュ部分多様体や、接触リーマン多様体内のルジャンドル部分多様体が、さらに極小部分多様体でもあるという条件は、一般にはだいぶ強い条件のように思われる。そこで、少し条件の弱い変分解である、ハミルトン停留ラグランジュ部分多様体や、接触停留ルジャンドル部分多様体を考える方が自然であると考えられる。 本研究では、まず、ハミルトン停留ラグランジュ部分多様体について議論し、ハミルトン停留なラグランジュ法ベクトル束をもつ曲線や曲面を研究した。 次に、接触停留ルジャンドル部分多様体の概念を以下のように導入した。接触リーマン多様体内のルジャンドル部分多様体は、外側の空間の接触ベクトル場に沿った変形に関して、体積汎関数の停留点となっているとき、接触停留ルジャンドル部分多様体であると定義する。そして、接触停留ルジャンドル部分多様体のオイラーラグランジュの方程式を導き出した。 また、2次元リーマン多様体上の曲線が、接触停留なルジャンドル単位法ベクトル束をもつための必要十分条件を求め、特に、2次元定曲率空間上の曲線の場合に分類した。その結果、測地線でない接触停留ルジャンドル曲線の例を構成することができ、接触停留な単位法ベクトル束をもつ平面曲線の具体的な媒介変数表示を得ることもできた。 現在、3次元ユークリッド空間内の曲面が、接触停留なルジャンドル単位法ベクトル束をもつための条件について考察しており、それによって、非極小接触停留ルジャンドル曲面の例を構成することができるのではないかと考えている。
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