研究概要 |
単純(simple)な理論における開写像定理の研究を行い,次の結果を得た:定理.Tを単純な理論とする.κを無限基数とする.p(χ)∈S(A)をnon-κ-isolatedなタイプとし,aをp(x)の勝手な解とする.この時,P(χ)のAa上への勝手な非分岐拡大ぱ,再びnon-κ-isolatedとなる. 開写像定理は,タイプをそのベースに制限する写像がある位相のもとに開写像になることを主張している.安定(stable)な理論では,開写像定理が成立するが,同時に開写像定理が完全な形で成立すれば,その理論は安定になる.したがって,単純理論において完全な形で開写像定理が成立することは,望めないが,上の弱い形までは成立することがわかった.この弱い形でも,応用上では有効である.この定理の系として,系Tを超安定として,p(χ),∈S(A)をnon-κ-isolatedタイプとする.このとき,p(χ)に関する次元が有限次元(任意に大きくとれる)となるモデルが存在する,が得られる.この系をざらにκを可算基数として適用すれば.次のKimの定理(Lachlanの定理の超安定バージョン)が得られる: 系(Kim).Tを超安定な理論とする.このとき,同型を除いたTの可算モデルの個数は1個あるいは無限個である.
|