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肺血管内皮細胞及び肺胞上皮細胞の移植による慢性肺気腫の治療法に関する基礎研

研究課題

研究課題/領域番号 09877256
研究種目

萌芽的研究

配分区分補助金
研究分野 胸部外科学
研究機関東北大学

研究代表者

谷田 達男  東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (20217144)

研究分担者 藤村 重文  東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (40006078)
小野 貞文  東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (80250827)
研究期間 (年度) 1997 – 1998
研究課題ステータス 完了 (1998年度)
配分額 *注記
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
キーワード血管内皮細胞 / 肺胞上皮細胞 / 移植 / 慢性肺気腫 / プロテインキナーゼC / 細胞内信号伝達系 / イオントランスポート / 肺上皮・血管内皮細胞移植 / 肺傷害 / 細胞培養
研究概要

昨年度から今年度にかけて、肺に対して種々の環境ストレスをかけ、これに対する細胞系の反応を検討した。肺に対するストレスとして、好中球に機械的刺激を与え、細胞表面に糖タンパクからなる接着分子を表出させ、血管内皮細胞に接着させることで血管内皮細胞の反応性変化を計測した。活性化した好中球を摘出潅流肺に注入すると好中球が肺血管内皮細胞に接着し肺微小血管の蛋白に対する透過性が上昇した。更にこの現象に関して細胞内情報伝達系の関与も検討した。上記の現象が生じている際に、プロテインキナーゼC(PKC)の阻害剤を血管内皮細胞にのみ作用させ、肺微小血管透過性の亢進を抑制したことを確認できた。また、PKCを直接活性化する薬剤(PMA)を投与することによって、好中球の関与なしに血管透過性亢進を確認できた。これらのことは肺血管内皮細胞自身が好中球の接着によって細胞内信号伝達系を活性化させ、細胞の変形をもたらし、肺微小血管の透過性を変化させたことを示している。同時に、PKCに至る様々な信号伝達系の系統が活性化していることを示唆している。
以上から、好中球が活性化し、細胞表面に表出した糖たんぱくを介して肺血管内皮細胞の免疫グロブリンスーパーファミリーと呼ばれるリガンドに付着し以下の反応をひき起こすことが推測された。すなわち、細胞内にあるリガンドのC末端近傍に非レセプタータイプチロシンキナーゼが集合し、さらにはフォスフォリパーゼCが活性化され、ジアシルグリセロールと呼ばれるセカンドメッセンジャーが生成され、最終的にPKCを活性化したと考えられた。このことは同時に、MAPキナーゼと呼ばれる一連の細胞分化をひき起こす酵素群が活性化されることを示している。
このことから様々なストレスによる肺の細胞に対する刺激が移植した肺血管内皮細胞および肺胞上皮細胞を活性化し、その分裂、分化を促進する可能性を示した。

報告書

(2件)
  • 1998 実績報告書
  • 1997 実績報告書
  • 研究成果

    (12件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (12件)

  • [文献書誌] 久保裕司: "CD18依存性・非依存性の好中球遊走における細胞内情報伝達物質UFKBの関与" Therapeutic Research. 19(4). 18-21 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 谷田達男: "好中球の接着能亢進による肺血管透過性亢進と活性酵素種の関与" 日本呼吸器学会雑誌. 36(2). 144-149 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] Y.Ashino: "Roles of the Visceral Pleura in the Production of Pleural Effusion in Permeability" Tohoku J.Exp.Med.182(4). 283-296 (1997)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] T.Tanita: "Cydooxygenase metabolites possibly produced by endothelial cells mediate the lung injury" Tohoku J.Exp.Med.183(3). 221-232 (1997)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 田畑俊治: "モノクロタリン肺高血の発症機序における好中球の関与" 呼吸. 16(9). 1326-1332 (1997)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 谷田達男: "好中球のMac-1α発現による接着能亢進と肺血管透過性亢進" 日本胸部疾患学会雑誌. 35(4). 396-401 (1997)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 鈴木聡: "心房性ナトリウム利尿ペプチドによる肺胞II型上皮細胞Na^+-K^+-ATPaseの活性調節" 日本臨床整理学会雑誌. 26・3. 185-190 (1996)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 谷田達男: "機械的刺激による好中球のMac-1の発現と肺血管透過性亢進" 日本臨床整理学会雑誌. 26・4. 231-236 (1996)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 鈴木聡: "低酸素曝露が肺胞上皮のイオントランスポートに及ぼす影響" 日本胸部疾患学会雑誌. 34・1. 52-56 (1996)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 鈴木聡: "βアゴニストが培養ラット肺胞II型細胞のNa^+イオン取り込みに及ぼす長期的効果" 日本胸部疾患学会雑誌. 34・3. 297-303 (1996)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] Sugitsa,M.: "Effects of flushing temperature and preservation solution on alvcolar fluid clearance in the preserved rat lungs" Transplantation. 29. 1354-1356 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] Tanita,T.: "Cyclooxygenase metabolites possibly produced by endothelial cells mediate the lung injury caused by mechanically stimulated leukocytes" Tohoku J.Exp.Med.183. 221-232 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書

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公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

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