研究課題/領域番号 |
09F09108
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
応用昆虫学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
嶋田 透 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授
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研究分担者 |
李 木旺 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2009 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2010年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2009年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | フラボノイド / UDP-グルコース転移酵素 / 油蚕 / mu-oal / 尿酸 / スプライシング / ポジショナルクローニング |
研究概要 |
「笹繭」は、繭にフラボノイド系の色素を蓄積する形質であり、複雑な遺伝的支配を受ける。私たちの研究室は、すでにGb遺伝子の単離に成功したが、本研究では、別の遺伝子の探索と遺伝分析を進めた。古くから、笹繭形質にはZ染色体に連鎖するGre(緑卵)遺伝子が関与していることが知られているので、この遺伝子のマッピングを進めた。すなわち、o06×(o06×f04)の交雑後代をDNAマーカーで分析したが、原因遺伝子の特定には至らなかった。一方、Gre遺伝子の機能を解明するため、正常卵(+^<Gre>)の系統と緑卵(Gre)の系統の間で、紫外線に対する抵抗性を比較した。すなわち、+^<Gre>とGreの浸酸卵をそれぞれ屋外に6日間放置し、孵化率を調査した。その結果、+^<Gre>はまったく孵化しなかったのに対し、Greの卵はほぼ正常に孵化することが判明した。カイコの野生種であるクワコがGre遺伝子を持っていることを合わせて考察すると、+^<Gre>は本来持っていた卵殻の紫外線防護能を喪失した変異体であると考えることができる。 尿酸は、メラニン、オモクローム、フラボノイドなどとともに、カイコの体色を構成する重要な物質である。尿酸の蓄積が減少するoal斑油の形質は、oal(2-27.9)とmu-oal(mutator of oal ; 13-40.4)の両遺伝子が共にホモ接合になった場合だけに現れる。昨年度、九大o10系統(p oal, mu-oal)と東大p50T系統(+^P +^<oal>,+^<mu-oal>)の間で多型を示すPCRマーカーを多数開発するとともに、(p50T×o10)♀×o10♂の後代、姫蚕かつ斑油の♀と姫蚕かつ非斑油の♂とを交配し、次代の斑油個体と正常個体をPCRでジェノタイピングした。その結果、mu-oalの原因を第13染色体上の176kb内に絞り込んだ。本年度は、この範囲に存在する予測遺伝子8個について、mu-oalと+^<mu-oal>の間で比較を行い、候補を探索した。
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